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Another fantasy ? 70 ?

 しばらく進むと、開けた場所に出た。
 そこでようやく僕らは横に並ぶことができる。


 そして並んだ僕らの目の前には石の壁、そして壁には何故か古びた木製のドアがあった。
「このドアの奥に俺たちの仲間がいるのか?」
 リクが横にいる泥モンに聞くと、彼は首を傾げた。
「わかんねーのか?」
「・・・ウウォウ。」
 申し訳なさそうな声で彼は言った。

 少しうなだれる彼の姿はどこか悲しげだ。


「んな、落ち込むこたねーって。お前結構俺たちの力になったぜ。」
 リクがそう言ったが、彼は少し頷いただけで、彼の周りの何か物悲しい雰囲気は消えなかった。
「まぁ、俺たちは先に進むけど、お前どうする?」
「ウォウォウウォウォワウ、ウォイウォウォウォイオ!」
 彼は悲しげで、どこか怒ったような声音で言った。


「う?ん。お前が何を言いたいかはわかんねーけど、お前の話は後で聞いてやるから、ここで待っとけ。用事済ませたらすぐ帰ってきてやっから。」
 リクが珍しく優しげに言うと、彼は少し顔を上げた。
「ウォンオ?」
「ほんとだ。」
「ウォウォッオ。」
 すごい、リクと彼の会話が成立している。
 そしてリクと彼は何度か頷きあうと、リクが僕らのほうを振り返った。


「よっしゃ、いくぜお前ら、準備は良いか?」
「もちろん!」
「OKだよ!」
 僕とシーはそろって返事をする。


「そんじゃ、行ってくるぜ。」
 リクは目の前のドアを見ながらそう言った。
 泥モンは小さく頷く。
 リクはそんな彼のほうを振り返ることなくドアの前まで歩み寄った。


 そして彼はすばやい動きでドア全体をチェックする。
「わなも鍵もねぇようだ。開けるぞ。」
 僕らはリクの後ろに付き何が飛び出てきても良いように身構える。


 そして、ゆっくりとリクが扉を開けた。
 扉の隙間から風が入ってくる。
 そして、ドアの向こうの景色を見て僕らは息を飲んだ。


「ひ・・・広!!」
 そこは一面の乾いた砂地で、天井がとてつもなく高い。
 上のほうには所々穴が開き、木々の緑が見える。
 中には葉っぱや蔦が垂れ下がっている場所もあった。


 僕らは順にドアの中の空間に足を踏み入れる。
 そして僕が後ろを振り返ると、ドアの直前まで迫ってきていた泥モンの巨体があった。
 僕は思わず息を呑む。

 しかし、彼は砂地には入り込めないようで、先に進むことができないようだった。


「お前・・・。」
 いつの間にか振り返っていたリクが手を伸ばそうとした瞬間、音を立てて独りでにドアが閉じた。
「あ。」
 僕とシーは口をぽかんと開け、声を漏らす。


「ヤベッ!!」
 リクが慌ててドアに手を伸ばしドアノブを捻るが、開かない。
 そして彼は諦めたようにため息をついた。
「・・・閉じ込められちまったようだ。」


「えぇ?!」
 慌てて僕も試しにドアノブを捻ってみるも、まったく開く気配が無い。


「あいつ・・・。俺たちを騙したのか?」
 少し間を空け、リクがポツリとつぶやいた。
 あいつ、さっきのしゃべる泥モン。
 でも、なんとなく、僕には彼が僕らを騙したのだとは思えなかった。


「とにかく、ここには何かありそうだよ。少し探索してみよう。」
 僕は天井から十分光が差し込んでいるのを見て、光球を消しながら言った。
 これだけ広いんだ、別の道とか、出口があってもいいはず。


「そう・・・だな。とりあえず調べてみっか。」
 僕らは頷きあい、とりあえずこの広間の中心へと歩を進めた。


「それにしても、さっきの泥モン、あいつは一体何が言いたかったんだろうな。」
 リクがまた囁くような声でつぶやいた。
「なんか必死だったよね。」
 何を必死に伝えたかったんだろう?
 助けてくれ、とか?
 あ、仲間になりたい、とか?


「わかんねーな。」
「うん。」
 ここで一度僕らの間に沈黙が下りた。


「そういえば、泥モンっていつからここにいるんだろう?それに井戸から聞こえる声の主ってさっきの泥モンの声なのかな?それにリーダーは別にいるみたいだし・・・。」
 シーが首を捻りながら言った。


 そういえばここに来て、実際は何一つわかっていない。
 井戸に下りて、どれが動き出して、動き出した泥モンから逃げて、小部屋にたどり着いて、そこには草や葉っぱが貯めてあって、それから指輪が一つおいてあったんだっけ。


「にしても腹が減ったな。」
 不意にリクがお腹をさすりながら言った。
 言われてみればお腹が空いてきた気がする。


 井戸の中に入って一体どれくらいの時間が経っただろう。
 もう昼だろうか。


「なぁ、この先何があるかわかんねーし、食えるうちに食っとこうぜ。」
「そうだね、ちょっと早いかもしれないけど昼ごはんにしようか。」
 僕らはその場に座り込み、各自持っていた弁当をリュックから取り出した。


 この弁当は今朝ますたーが持たせてくれたものだ。
「おぉ、うまそう!」
 弁当には肉、魚、野菜、果物など、彩りよくバランスもよく入れられており、美味しいおかずに僕らの箸は止まらなかった。

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