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もうひとつの幻想 28

 フローラが差し出した手の上には黄色い宝石と黒い鳥の翼のような飾りのついたイヤリングが一つのっかっていた。
「これは?」
 フロートはそのイヤリングをつまみ上げると、怪訝そうな顔を浮かべた。


「それは双子の魔女の耳飾りです。この前偶然行ったお店で買ったんです」
 私もフロートの横からしげしげとそのイヤリングを眺める。
 何やら不思議な魔力を感じなくもない。


「そ、その双子の魔女ってあれか!!えっと、なんて名前だったか・・・」
 リクが目を輝かせるが肝心の魔女の名前を思い出せない様子。
「エリマラとウルエラ」
 まったく、こんな有名な魔女の名前もすぐにでてこないとは嘆かわしい。


「そう!それ!」
 しかし彼は私の冷たい視線を全く意に介さず、イヤリングに飛びつく。
「うぉい!人のものに手ぇ出すな!」
 が、フロートに頭を殴られ、涙目で引き下がってきた。
 全く人のものを取ろうとし、なおかつフロートのげんこつもよけられないとは、シーフの風上にも置けれない奴だ。
 だがそんなリクにも大丈夫かと聞いてやるフローラはなんと心優しい人だろう。


「それで、フローラ、これは一体どんな恩恵が?」
 そうだ、伝説にもなっている双子の魔女が使っていたという装飾品だ、さぞいい恩恵を与えてくれるに違いない。


「これはですね、双子、しかも女性じゃないと使えない、っていう条件があるんです」
 そこでリクが舌打ちした。
 どうも奴は自分が使えないものには興味がない様子。
 なんと嫌な性格だろうか。
 その舌打ちを聞きつけたクイットが思いきり肘鉄を食らわせた。
 リクは静かに涙を流していたので、こちらの追撃は勘弁してやることにする。


「それで、このイヤリングをそれぞれ方耳につけるんです」
 そういうフローラもよくよくみてみると片耳に緑の宝石に白い鳥の翼ような飾りのついたイヤリングをつけていた。
 ちなみにもう片方の耳には同じような白い鳥の翼を模した飾りのついたイヤリングをつけている。
 なかなかにお洒落だ。


 フロートも片方の耳へと早速そのイヤリングをつける。
「特に何もないけど?」
 フロートが言うところをみるとつけただけで体が軽くなるとか言う分かりやすい効果ではないようだ。


「これは、店長さんの話によると、つけたもの同士が同じ時に戦ったり、魔力を使うと、効果が現れるそうです」
「魔力・・・」
「あ、姉さんの場合はやる気ですね!」
 さすがフローラ、フロートの考え方は熟知している。


「そうか、私がやる気を使って戦っているときに、フローラが魔法を使うと効果が出る、ってことだな」
 お馬鹿なフロートも戦いに関することなら幾分理解が早い。
「そうです」
 フローラも以外と簡単に言いたいことが伝わり、明るい笑みを見せた。


「それで、効果って一体どんなものなの?」
 痺れを切らしたようにクイットが聞く。
 リクやハーブもうんうんとうなずいた。


「それが・・・」
 一瞬でフローラの表情が曇る。
「まさか・・・」


「店長さんは怪しげに笑うばかりで、教えてくれませんでした」
 そのまさかであった。

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