スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

32?Y

「ねぇ、これからどうするのさ?」
 イラという青年にキムラと命名された女性の腕から地面におり、ボーニンという名の生き物は開口一番そう言った。


 彼の前に立つロザンナという老婆は、いつの間にか杖と一緒に小さな折りたたみいすを持っており、のんびりとした動作でそれを開くと、いすに腰掛けた。
 まだ彼らはメックという少年の家の前に出たばかりだ。


「まさか、ここで野宿?」
 ボーニンが青ざめた顔でいう。
「ギャギャ!?」
 その横でもう一人の白い生き物、かりきんも不安そうな表情を浮かべた。


(私たちは野宿だろうがなんだろうがかまわないが)
(でも濡れんのはやだな。視界がぜんぜんきかないもん)
(ロザンナさん、考え、ある?)
(さぁ?あのばあさん自己中っぽいからな?。どうだかわかんねーぜ?)
 そしてかりきんという生き物の首に掛かったペンダントからは勝手な声が漏れている。


 あたりはすでに暗く、街灯が道にぼんやりとした頼りない光を投げていた。
「あの、ロザンナさん」
「ローザでいいよ」
「あ、ローザさん。これからどうするんですか?」
 キムラ、ことKMRが聞いた。


「これから今日泊まる場所に向かう。とにかくついてきなさい」
 老婆はいすに腰掛けたまま言った。
(イスに座ってどうやって移動するって言うんだよ)
(まさかそのままはこんでもらうつもりかな??)
(さすがにそれはないでしょ。何か考えがあるはずよ)


 不可解な表情の面々に見守られる中、老婆は手に握った杖を軽くふった。
 すると、老婆とイスが、一瞬紫色の光に包まれ、その次の瞬間ふわりと浮き上がる。 
「あ・・・・・・!」
 驚くボーニンたち。


 そんな彼らとは裏腹に冷静な表情のままの、老婆は、軽く彼らを見やると、静かに道を進み始めた。
 先ほど町に向かうときよりはずっと移動する速度は速い。


(なるほど。イスは乗り物、というわけか)
(ほんと、あいつなに考えてんのか、わかんねーな)
(でも、気、使ってない、訳、じゃない)
(う?ん、彼女は彼女なりに僕らのこと考えてくれてるんじゃな?い?)
「ギャギャ」


 唖然としていたボーニン達だったが、とにかく老婆には何か考えがあるのだろう、ということで彼女の後をついていくことにした。

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。