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Another fantasy - 155 -

「だったら、もう、その変な奴らに会いに行くしかないじゃないか!!」
 急にひのたんが大声を出したので、全員が彼を注目した。
 彼は一気に視線が集まったので、自身でも少し驚いたような顔をした。


「みんなのんびりしてるけど僕は一刻も早く火山に向かいたいんだよ!こうやってもじもじしている間に僕の体や両親に、何かあったらどうしてくれるんだ!」
 やはり、当事者だ。
 彼だけは急ぎたいらしい。
 僕らも依頼を受けてきているわけだし、少しは彼のことを優先してあげなくてはいけないだろう。


「それじゃあ、もう出発しちゃおうか。まだ早い時間だしさ」
 クイットもしょうがないなぁ、という調子で言ったが、その顔は楽しみで仕方がないのが隠せていない。
 新しい魔法を覚えられるかもしれないんだから、楽しみに思うのも仕方のないことか。


「メイル!その先住民たちのいる場所ってここからどういけばいいの?」
 クイットが聞くと、メイルはノートを引き寄せたのと同じように、机から真っ白な紙を一枚手元に寄せた。
 彼女はそれに手をかざす。
 手からも紙からも光がでたりとかいう演出はない。
 だから彼女が何をしているのかわからなかったが、しばらくすると、メイルの方からクイットにその紙を手渡した。


 クイットはその手紙を受け取ったとたん、はっと目を見開く。
 驚いたまま、何もいえず見守っていると、すぐにクイットの表情はさっきのものに戻り、うん、わかった!と元気よくメイルに笑いかける。


「どうしたの?その紙は?」
 僕が聞くとクイットが上を差し出してきた。
 少し怖い気もするけれど、僕は紙を受け取る。


 と、同時に電気が走るみたいに頭の中を映像がよぎる。
 この町の様子から始まり、島の内側へと向かう町の出入り口へ映像は映り、町から延びる細い道を映像はたどる。
 道の回りは一面草原で、たまに大きな岩があるくらいで、後はほとんど草しかない。
 その道は森の中まで続き、島の中心に生える大木までも続いているようだった。 
 そして、最後に朝に出れば昼過ぎにはつく、という文字が浮かび上がった。
 そこで映像は終わり、はっと現実に戻る。


 十数秒ほどの映像を見ていた気がするが実際はほんの数秒しかたっていないらしい、ほかのみんなに特に動きはなかった。
 マオ君が興味深そうに指を揺らしていたので、僕は彼に紙を渡してやった。
 するとひのたんも横から紙にふれ、目を見開く。
 マオ君にはほぼ反応がなかった。


「よし、それじゃ早めに行こうよ!さっさとかえって準備準備!」
 クイットはすっかり遠足気分らしい。
 楽しそうに言うと、メイルに礼を言い、ノートを彼女に手渡す。
 そして、家の外へ飛び出した。


 僕もメイルに礼を言い、マオ君に紙を返させると、クイットを追って家を出た。
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