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Another fantasy - 159 -

2011年02月13日21時18分50秒_001

「わぁ、なんだこいつら?!」
 ひのたんが大声を上げる。
 小さな人々は確か、メイルに見せてもらった冊子の人々と同じ見た目をしている。 
 つまりは彼らがこの島の原住民だろう。
 そして、今の風はきっと彼らが起こしたものだ。
 木々の炎を消し、ラメロを追い払うために。


「原住民達、だね」
 クイットが神妙な面もちで言った。
 いつの間にかマオ君が僕の横に浮かび、彼も木の上に立つ人々を見ていた。


(こんな種族もいんだねぇ)
 バリアがしみじみとした様子で言う。


 このように僕らが注目する中、小さな彼らは、仲間内でいくらか目配せをした。
 彼らは一体僕たちをどうしようというんだろう?
 僕たち人間に対して有効的ではあるらしいけど、僕らはラメロを興奮させて、森に火をつけてしまった。
 あまり被害は大きくなかったが、森に住んでいるんだろう彼らは怒っているのでは。


 そんなことを考えていると、原住民達がぴょんぴょんと木の上から降りてきた。
 歩いてこちらに近づいてくる。
 彼らの顔には小さな目と口しかない。
 口の周りにも赤い部分はなく、顔は黄色っぽい色をした肌で、体全面その色だ。
 胴に布を巻いただけのような服装で、各自いろんな淡い色の布を身につけている。


 そんな彼らはにこやかな表情だ。
 敵意はないようで、僕はほっとした。


 そして、先頭を歩いてきた一人が口を開きかけたそのときだ。
 再び、突然突風が吹き抜けた。
 そう思うとまた違う方向から強烈な風。
 さきほど、原住民達が起こした風とは、比べものにならないほど強い風で、僕は吹き飛ばされそうになったが、不意に風がやんだ。


 反射的に閉じていた目を開ければ、ごうごうという風の音はそのままで、僕らの周りだけ風が吹いていない。
 原住民達の姿は見えず、僕らの周囲は薄い紫に光る膜で包まれていた。
 クイット、ひのたん、僕、そして淡い紫に光るマオ君の姿がある。
 どうやらマオ君が魔法を使い、僕らを風や飛んでくるものから守ってくれているようだ。


「師匠、やばい予感がします」
 マオ君がきょろきょろと動きながら言う。
「さっきの小さい人たちは?」
 クイットが聞くと、マオ君は肩をすくめるように体を持ち上げた。
「どうも、吹き飛ばされちまったみたいで」
 なんとも軽い物言いだが、僕は心配になった。
 先ほどの彼らはとても有効的そうだった。


 しかし、今度は謎の突風だ。
 今度こそ彼らは僕らのことを悪く思うんじゃないだろうか。
 膜の外を見れば、すごい勢いで緑の葉が舞い、時折メキメキとかいう大きな音がする。
 辺りは砂やら葉っぱやらが飛び交っていて、何がなんだかわからないが、どこかで木が倒れているらしい。


「なんなの?これ!」
 クイットが地団太を踏むように足踏みをする。
 僕も急にいろんなことが立て続けに起こり、どっと疲れが出てきていた。
 そうじゃなくても、今まで長いこと草原を歩いてきていたんだ。
 足が疲れて、そろそろ休みたいと思っていた。


「来る」
 僕がしゃがみ込んでしまおうと思ったとき。
 マオ君が低い声で言った。
 僕は下ろしかけた腰を止め、辺りをきょろきょろと見渡す。


 今まで狂ったように飛び回っていたものが全て、瞬時に動きを止めた。
 ぱさりと葉っぱやその他いろんなものが地面に落ち、砂煙が辺りに広がっていく。


 先ほどまで、森の中だった場所は、木々がなぎ倒され、荒れ放題だった。
 ここら一体だけ、急に竜巻でも発生したみたいだ。
 少し遠くには、何事もなかったかのように静かな、森が広がっている。


 そして、砂煙が引いていく中、葉っぱや折れた木々の枝などが散らばる荒れ地の真ん中に誰かが立っているのに気づいた。
 その人物はとても異様な見た目をした少女。


「悪魔?」
 僕は思わずつぶやいた。

2011年02月13日21時18分47秒
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