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鬼畜と心配性とサポート役 第3章 5話

 有栖が食堂に着いたころ。
 黒は体育館裏に急いでいた。



 黒が担当になった少年、名前は速瀬 早也(ハヤセ ソウヤ)。
 よくよく考えてみれば、彼は黒たちのクラスメイトだった。


 生徒会書記となり、黒は同じ学年はもちろん、ほかの学年の生徒の名前と顔はすべて記憶している。
 そんな黒でも彼のことはなかなか思い出せなかった。
 それだけ彼はクラスでも目立たない存在なのだ。


 いつもおどおどしており、不良生徒たちに絡まれることも少なくない。
 能力もあるのかないのかよくわからない人で、特に目立った特技もないように見える。
 成績も普通。


 そんな平凡な彼のニックネームは中身そのまま「平 凡太(へい ぼんた)」
 このニックネームがクラスでは定着してしまい、本名を知っている人がほぼいないような有様だ。


 自分も生徒会の一員としてまだまだね、名前を思い出せなかった黒はそう重いながら、パソコンの画面を見た。
 画面には学校の地図が表示され、体育館裏に当たる部分に赤い点が点滅している。
 きっと黒も有栖が使った物と同じ機能を使ったのだろう。
 その赤い点が速瀬の場所を示しているようだ(正確には速瀬のパソコンの場所だが)。


 黒は歩きながらパソコンを操作した。
 速瀬のいる場所がズームされる。


「あ・・・!これは・・・。薬を・・・?」
 黒が画面を見てポツリと呟いた。
 パソコンの画面には速瀬を取り囲むように青い点が点滅している。
 この青い点というのは調べた生徒とは別の人物の位置を表していた。
 どの点が誰というのはわからないが、調べた人物が一人で行動しているのか、多人数で行動しているのかがわかる。


 黒はあわててパソコンを肩にかけていた鞄にしまうと走り始めた。
 走れば体育館裏はすぐだ。


 黒は薬の密売が今行われているかもしれないと考え、校庭に出ると同時に能力を発動した。

 校内だと狭く、ぶつかると危険なのでほとんど使わないのだが、広く視界の利く場所なら別だ。


 黒は車も真っ青のスピードで走った。
 黒の能力は体を変化させるもの。
 体がどんな風に変化しているのかはわからなかったが、黒は能力が目覚めたその時から、すばらしいスピードで走ることができるようになっていたのだ。


 黒はそうしてすぐに体育館へとたどり着き、体育館の影から体育館裏をのぞいた。
 そこには案の定速瀬がおり、取り囲むように男子生徒たちがいる。


 が、どうみても速瀬が薬を売っているようにも売ろうとしているようにも見えない。
 どっちかというとカツアゲされそうになっているように見えた。


「オイ、テメ?、金出せよ、コラ。」
 どこからどう見ても不良の生徒が金属バットを引きずりながら速瀬に近づいた。
「え??ボンちゃんよォ。金、持ってんだろ?」
 別の不良も言った。

 当の速瀬の顔はかわいそうなくらい真っ青である。


「オレらちょっとイラついててさぁ。ちょっと遊ぼうぜぇ?」
 さらに別の不良が言い、取り囲んでいた生徒全員がザッと速瀬との距離をつめる。
「最近“いいモン”売ってるヤツがいてさぁ。それ買うのに金がいるんだよなぁ?。」
 ビクビクとおびえる速瀬をあざ笑いながら不良が言った。


 黒はこれはまずいと思いながら見守る。
 しかも、よくよく見るとその不良たちは先日つぶした不良グループの元メンバーだ。
 傷跡が少なくぴんぴんしているところを見ると、運よく軽傷ですんだ数少ない不良のようである。


 ちなみに傷がひどかったものはいまだに入院している。
 だが、入院するなど痛い目を見たヤツはこれを機に反省したようで、大体が更生し、まじめに学校に通うようになった。
 それとは逆に軽い怪我ですんだものの方がよっぽどタチが悪い。


 しかもさっき不良が口走った“いいモン”。
 もしかしたらそれこそが例の薬のことかもしれない。


「さぁて、ストレス解消と行くか!」
 そしてリーダーらしき男が金属バットを速瀬の頭上に振り上げた。


 さすがにこれ以上は放っておけない。

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