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RAINBOW STORY - 65 Two bandanas -

 人々の中心、そこでは緑のバンダナを頭に巻いた男二人組と、黒いコートに身を包んだ青年が言い争っている。
 いや、言い争うというか緑のバンダナ二人組が一方的に脅しつけているような感じだ。

 バンダナの男一人は片手に大きな布袋を下げた屈強な感じの大男。
 もう一人のバンダナ男は出っ歯で小柄、少しネズミに似ている。
 
小さい方は大きな男の後ろでやいやい言っている。


「おい、兄ちゃん! あんたがぶつかってきたせいで、この宝のツボ! 割れちまったじゃねぇか!」
「そうだ、そうだ! これは1千万Gもくだらないぜ!!」
 二人組はそう言って、口を縛った大きな布袋を少年の目の前にかざすとぶんぶんと振った。
 ガチャガチャと割れた破片がぶつかり合うような音が袋から聞こえる。
 なるほど、こいつらはそれを弁償しろってぇわけだ。


「な、なんだよ、宝のツボ? それってほんとなのか……? どうせ嘘だろう!」
 少し腰が引けているが少年ははっきりと言った。


「は? 見せなくてもこの音で十分割れてんのが分かるだろ!」
 もう一度袋を振る男。
 こいつは質問の意味が分かっていないようだ。


 誰から見ても男二人は怪しい。
 からまれている少年は袋の中身が本物かと聞いたというのに……。
 きっとこいつらはこのまま押し通すつもりなんだな!
 何で周りの人は助けてやらないんだ?
 どうみてもこれは脅しだろう?


「さぁ、兄ちゃん、弁償してもらうぜ」
 大きな男ががしりと少年の腕を掴む。
「な……少し体が当たっただけじゃないか! それにそれがどんな物かも分からないし……」
「つべこべ言わず、さっさと金出せっつってんだよ!」


 俺はもう我慢できなかった。
 やりたい放題の男にも、それを止めようともしない群衆にも。


 俺が人ごみの中に突っ込んで行くとリリスの声がした。
「フレア! ここは村とは違うんだよ?! 戻ってきなって!!」
 そんなこと聞いてられるか!


「おい!」
 誰かが止めに来る、という予想外の事態に驚いたのかバンダナの男二人はこちらを向いて固まった。
 俺は隙だらけ男の手から袋をふんだくる。


 そして袋を縛る紐を解き、中を見た。
「やっぱりな!」
 思った通り中にはツボらしき物の破片など入っていなかった。


 俺は袋をひっくり返し、中身をぶちまける。
 地面に落ち飛び散ったのは様々な色や形のガラスの破片。


 男達は一瞬の出来事に口を開けたまま固まってしまっている。
 なんとも間抜けな顔だ。


 俺達の村なら、誰かが言い争いをしていたら止めるか仲裁に入るのが筋ってモンだ。
 なのに都会の人ってのは……冷たいというか……なんというか。


「テ、テメッ!」
 ようやく我に帰った男が俺をぎろりと睨みつけた。
 怒りやらなんやらでそいつの顔は真っ赤。


 そして、いきなり殴りかかろうとした!


 そのとき「ハーイ、散った、散った! 見世物じゃないぞ!!」 そんな声が俺の後ろから聞こえた。


 目の前の男がぎょっとした表情を浮かべ動きを止める。
 後ろを振り返るとそこには3人の兵士が。


 甲冑特有のガチャガチャという音を響かせ3人の兵士二人がこちらへやってきて、男二人をとっ捕まえる。


「ついに捕まえたぞ! さぁ、じっくり話を聞かせてもらおうか!」
 二人はあっという間に両手を縛られ、連行されていった。
 あまりに短い間の出来事に唖然とする俺の耳に怒鳴り声が飛び込んできた。


「フレア、コノヤロ!!」
「フレアのバカ!!」
 ブラスト、リリスのがみがみ二人組だ。


 うげ、今は仲裁役のフラウがいねぇ……最悪だ……。


>66話へ
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