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RAINBOW STORY - 67 Let's bet. -

 自己紹介をしつつ、バロンと言う名の彼に案内された先にいたのは……港に到着した時見た例の怪獣だった。
 怪獣を見上げる俺達。
 ほぼ全員口が開いたままだ。
 ブランなんかは口をパクパクしている。


「ま、ままま……まさか船ってこのリピオラですかっ!!」
 ブランが瞬時にバロンへと向き直り彼の肩を掴んだ。
「は、はい……そうです」
 ちょっと引き気味のバロンだったがしっかりと頷いた。


 ちなみに俺達はさっき案内をされている間に意外と打ち解け合うことができ、今ではお互い呼び捨てにも慣れた。
 まぁ、レイさんだけはいまだにさん付けだけど。


「ふあぁぁ……、ぼ、僕はこれからこのリピオラの中に入れるのか……!」
 ブランは手を握り合わせ、怪獣を見上げる。


 ブランの手から解放されたバロンはほっと息をつくと、リピオラの甲羅へついた扉へと繋がる階段を手で示した。
「ここから中に入れます。それではついてきてください」
 バロンは段を上がり、銀色の彫刻がびっしりと施された重たそうな扉を押した。
 すこし軋みながらゆっくりと扉が開く。


 こうして俺達は招かれるまま中に入った。
 入って少し通路を行くとすぐに広いロビーのような場所へ出る。
 そこは赤い絨毯が敷き詰められ、壁には高そうな観賞用の剣やアーマーなんかが飾られており、壁はほぼ一面金色ぴかぴか。


 天井には豪華なシャンデリア……ではなく、弱い光が浮かんでいた。
 まぁ嵐にあったりなんかしたらシャンデリアは危ないだろうから、魔法を使うのは当然か。


「どうぞ、皆さん座ってください。」
 俺がきょろきょろと辺りを見回している間に、みんなは先に行ってしまったようだ。
 少し離れた所にある大テーブルの周りの席にみんなつこうとしていた。
 俺も急いでそのテーブル横の椅子に座る。


「どうです? このリプちゃん。かっわいいでしょ?」
 ニコニコと笑顔を浮かべて言うバロン。
「へぇ~、リプちゃんか、いい名前だな」
 俺はそう言ったが他のみんなはなぜか苦笑いを浮かべている。
 アイルなんかは少し顔が青ざめていた。


「それで、リピオラは世界的にもとても珍しい生き物のはずですが……」
「あぁ、貰ったんですよ」
「え!?」
 ブランの質問に返ってきた言葉はとても意外だった。
 


 みんな一斉にバロンを見る。
 特に質問した張本人、ブランなんか信じられないといったように首を左右に振り続けていた。
 ブランの隣に座っていたレイさんが無言で首振りブランの頭を抑える。
 


 ってさ、貰いものってそりゃどういうことだ。
 どうやったらこんなでかいもの貰えるんだろう?
 


 もしかしてバロンはこう見えても、ものすごく強くて国一つ救ってそのお礼にもらったとか?
 俺の頭の中に勇者バロンの妄想が膨らんでいく。


「あのですね、僕こう見えてもギャンブラーなんですよ」
 みんなの反応に苦笑しながら言ったバロンの言葉に、俺の頭の中の勇者バロン像は崩れ落ちた。
 


 ……ギャンブラー?
 何だそれ、揚げ物料理かなんかの名前か?
 うまいのか?


「ギャンブラーって……。賭け事とか大好きな……。カジノとかにいたりとかする……、ああいった感じの?」         

 アイルが軽く腕組みをしながら首を傾げた。
 バロンはこくりと頷く。
 


 俺達田舎者にカジノとかって言われても何かよく分からない。
 ……あれ?

 よく見るとみんな、あぁ、わかった~、みたいな表情。
 おろ、分かんないのは俺だけか?
 


 まぁとにかく賭け事が好きなやつってことだな、なるほど。
 俺は勝手にそう解釈しておくことにする。


「それで僕結構ツキはいい方でして、意外と強いんですよ? それで、いろいろと勝負を重ねるうちにいつの間にかリプちゃんを貰い、そして、わざわざ買わなくてもここの家具は増えていき、気づけば大金持ちのお坊ちゃんが誕生していたんです」
 俺は開いた口が塞がらなかった。
 


 バ、バロンはすごい魔法使いなのか!
 いつの間にかあったってこれってものすごいぞ!
 聞いたこともない魔法だ!


「……フレアの目がきらきらしてる」
「まぁ、そりゃ、こんなとこに暮らしてるとかってのはすごいからな。でも、フレアのことだ。きっとなんか勘違いでもしてるんだろ。
 俺の横でリリスやブラストが言った。


 まったく二人は何でこんなすごいことに気づかねーんだよ、もう!
 もっと感激しろよ!
 そんなほしい物が出せる魔法とかあったら、食い放題だぞ……!
 俺の頭の中で大魔法使いバロンの妄想が膨らんでいく。


「あ、それでさぁ、さっきも言ったんだけどある島に……」
「あぁ、お礼のことですね」
 リリスの言葉を制しバロンが言った。


「それでは地図を見せてくださいませんか」
 俺は妄想を一旦隅に追いやりバロンを見つめる。
 クエストシートやそれと一緒に渡された地図はアイルが持っていた。
 アイルがリュックから地図を数枚引っ張り出しバロンに渡す。


 ちなみに地図は島周辺の海図やら、島自体の見取り図のようなものなどいくつかあった。
 バロンは早速アイルから地図を受け取り、真剣な眼差しでそれを眺める。


「……この辺りは……いや……うん」
 バロンは地図を見ながらなにやらブツブツと言っている。
 俺はただただいい返事が返ってくることを祈るのみだ。


「……分かりました。連れて行って差し上げます。ですが、道中どんなモンスターが出てくるか分かりません。生きては帰れないかもしれませんよ?」
 バロンは真剣な眼差しで俺達を見つめた。
 俺は思わずごくりとつばを飲み込む。


 だが!
 村を出た時から覚悟できている!


「あぁ、大丈夫だ。ここで尻込みなんかしてらんないからな」
「……フ、フレアが尻込みなんて言葉を知ってるなんて……しかも間違った使い方じゃない……。あ、いや、ちゃんと覚悟はできている」
 俺の言葉に目を丸くしながらブラストも言った。


 おいおい、人間ってのは日々成長する生き物なんだぜぇ、ブラスト君。
 俺がブラストの顔を見るとアイツは目を逸らした。


「それでは、皆さん覚悟はできているようですね」
 バロンの言葉に全員こくりと頷いた。


「それでは問題ありません。早速出発しましょう! ……と、言いたいところなのですが」
「え?」
「実はこの港には食料の調達に寄っていまして、頼んだ食料がまだ届いていないんです。だから、少し待っていてください」

>68話へ
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