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鬼畜と心配性とサポート役 第3章 16話

 白の背中には何か重いものがずしりと乗っかっている。


「な、何だ?」
 少しぼんやりする頭をもたげ白が背中の方を見るとそこには金属の塊が。
 それは信じられないが、どう見ても先ほど白が開けて閉めたはずのドアだった。


「お前は勝手な真似しやがってよぉ!!」
 ぼんやりとしたまま白は服をつかみあげられ無理やり立たされた。


 白の目の前にはメガネをかけた疫病神の顔。
「とりあえず自力で立て!」
 白は少しよろけながらもやってきた帝を突き飛ばした。


「うっせぇ、言われなくてもわかってら。」
 白は雨に濡れてたれてきた髪をかきあげると、伊家の方をむいた。
 そこにはさっきよりも少し距離をとってはいるが相変わらず不敵な笑みがある。


「おい、伊家。積年の恨み、今こそ晴らしてやるわぁぁぁ!!」
 有栖がどことなく時代がかかった言葉を使った。
「そーだ、テメー!俺たちの恨みは大きいぞ!お前の身ひとつじゃ背負いきれねーぞ!」
 帝も怒鳴る。
 相当生徒会長やら副会長に選ばれたことを根に持っているらしい、この二人は。


「なんかいっぱい来ちゃったなぁ。」
 伊家は3人の前でのんびりと大きく伸びをする。
「でも久しぶりにさ、ちょっと運動でもしておこっかな?」
 伊家は軽く足踏みするとまたニコニコと笑った。
 そして手でくいくいとこちらをあおる。


「上等だ、このヤロー。」
 帝が低い声でこちらも笑いながら言う。
 有栖も笑顔を浮かべた。
 白だけは笑顔を浮かべず、帝と有栖の笑顔の意味もわからない。
 この点では白は幸せなヤツといっていいだろう。


 そして次の瞬間帝は片手を大きく引き、伊家に向かって突き出していた。
 すると圧縮された巨大な水の塊が伊家めがけて目もくらむスピードで飛んでいく。
 おかげで一瞬雨がやんだ。


「へぇぇ、面白い力だね。」
 伊家は笑いながらするりとす水塊を交わす。
「じゃぁ、こっちもいかせてもらおうかな?」
 というと伊家は今度は大きく手を空に向けて振った。


 そしてその手を3人に向ける。
 次の瞬間巨大な見えない刃が3人を襲った。


「風か・・・?」
 有栖が一瞬にしてその刃を消し去り、つぶやく。


「おぉっと、めんどくさい力だね、君のは。」
 伊家が有栖に笑顔を向けた。


「オメーはいつまでそうヘラヘラ笑っているんだ?」
「笑ってる君に言われたくないな。」
 白以外の3人はそこでまたニコニコと笑う。
「俺はお前らの気がしれねぇよ。」
 白はぼつりとつぶやいた。


「そんじゃそろそろ終わりにしていいかな?」
 帝が言う。
 と同時に空を覆っていた厚い雲が避け、光が落ちた。


 それがあるはずのない真っ直ぐに落ちた雷だと気づくのに白は時間がかかった。

 屋上に巨大な穴を開け、光は消える。


 そして穴の中に伊家の姿はない。
 あるのは恐れおののく従業員たちと客の姿だけだ。
「あ?あ、壊しちゃった。」
 すると上から声がした。


 なんと伊家は宙に浮いていたのである。
 その伊家の足元には渦巻く風。
 風の力で伊家は宙に浮いているようだった。


 有栖が舌打ちを漏らし、風の力を見えない力でつかみ握りつぶす。
 体の支えを失った伊家はもちろん地面に落ちたが、悠々と着地した。


「店のことは僕責任持たないから。でもこのままじゃ俺はここにいられないね。それじゃもう用はないや。それじゃ、ね。今度は君たちと俺じゃなく僕で会いたいよ。」
 というとさっきまで笑顔を終始張り付けそこに立っていた男は崩れるように倒れた。


 そしてその場には遠くから聞こえてくるサイレンの音に飲み込まれた。

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