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RAINBOW STORY - 14 Inn 「Cheap」 -

 建物の壁には「一部屋100G格安宿チープ」という看板がついていて、それは、ちょっと大きめの民家のような見た目をしている。


 早速中に入る俺たち。
 中は意外と広く、カウンターがある横には小さな食堂があり、結構賑わっているようだ。


「いらっしゃい!」
 俺達が入ってきたのを見て、恰幅のいいおじさんがにっこり笑ってカウンターの奥から言った。


「見かけない顔だなぁ、冒険者さんかい?」
 おじさんは気さくにそう聞いてきた。
 俺達はカウンター前まで歩み寄る。


「まぁ、そんなもんです」
 ブラストは素っ気無くおじさんの質問に答えた。


「ふ~ん、そうか」
 ブラストの対応に気を悪くするでもなくおじさんは笑顔だ。


「ところでそこの赤い兄ちゃんはずいぶん汚れているねぇ。……あ! その緑色の……」
 おじさんは俺の上着にまだ残っていた緑色を見た。
 水洗いだけじゃ落ちなかったんだよな。


「もしかして君達森の方から来たのかい?」
「そうだけど?」
 おじさんの質問に俺はそう答えた。


「やっぱり! こないだ俺の知り合いの商人……荷馬車に乗ったやつなんだが、そいつが森の方から急に戻ってきてね。森の中にある湖の木がごっそり抜けてて、近くの道に緑の液を流して腐った木が沢山倒れてた!! って言うんだよ! まさかと思ったんだが……この話って本当なのかい?」
 ……さすが馬車……。
 俺達がようやく歩いてきた道をあっという間に往復できるんだな……。


「本当です。実は……」
 フラウがおじさんに森であったことを短く説明した。


「なるほど、そんなことが……。その木を操ってたっていう男はこの辺じゃ見たことないなぁ。まぁ、このことはこの街のクランに報告しておくよ。その木の片付けはクランに任せておけばいいだろう。……おっと、疲れてるところを長話ししちまって悪かったね。4人……二部屋でいいかい?」
 おじさんは少し苦笑いしながら、代金を入れるトレーを出した。


「はい」
 ブラストが短く返事をする。
 人見知りを少しは克服したみたいだが、ブラストの素っ気無い態度からしてまだ見知らぬ人と話すのは苦手みたいだ。


「じゃぁ、二部屋で200Gだね」
 ブラストは無言で財布から銀貨を二枚つまみ出すと、トレーに置く。


「はい、ちょうど、まいどあり! じゃぁこれが部屋の鍵だ」
 おじさんはブラストに鍵を渡すと「おーい、誰か手が空いてるやつはいないか? おーい!」
 そう食堂の方へ向かって声をかけた。


「あ~今忙しいみたいだなぁ。仕方ない。案内するもん呼んでくるからちょっと待っててくれよ」
 おじさんはまた苦笑いを浮かべながらそう言うと、カウンター奥に行ってしまった。


「おい、フェザー! いるか?」
 カウンター奥からはそうおじさんの声が聞こえる。
 そして、しばらくするとおじさんと一緒に、綺麗な金髪の小さな男の子が出てきた。


「待たせちまって悪かったねぇ。それじゃフェザー、この人達を301号室と302号室に案内してくれ」
 おじさんがそう言うと、フェザーと呼ばれた子は頷きカウンター奥から出てきた。


 彼は子どもっぽい格好をしていているんだが、彼のベルトにつけているものに俺は目がいった。
 そのベルトには、金の、とげとげしたわっかのような何かがついている。
 見た感じ武器のようだが、そんな武器は俺は見たことがなかった。
 腕にも、武器と同じような金の、腕輪をしている。


 おじさんにもぜんぜん似てないし、身に着けているものから何から、なんだか不思議な感じのする少年だ。


「じゃぁ、ご案内しま……」
「おっと忘れてた! ちょっと待ってくれ!」
 フェザー君が俺達の前に立って行こうとした途端、おじさんが引き止めた。


「兄さん達冒険者だって言ったね! 冒険者バッチ、持ってるかい?」
 冒険者バッチ……?
 なんだそりゃ?


「何ですか? それ」
 リリス達も俺と同じく首をかしげた。

>15話へ
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