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Another fantasy ?5?

「ケイったらー!!」
 僕は部屋の外から聞こえるけたたましい声と、壮絶なノックの音で飛び起きた。
 あわてて部屋の鍵を開けるとすごい勢いでドアが引いた。
 そして真っ赤な顔をしたクイットの姿が。


「アンタ!ほんとびっくりしたんだからね!何度呼んでも返事がなかったし!」
 彼女はぐっと握りこぶしを作るとダンッと床を踏みつけた。
 僕は一瞬殴られるかと思ったけど、さすがにそこまではしてこない。
「今仲間のうちの一人が帰ってきたから!早く行くよ!」


 そしてクイットはそれだけ言うとぷりぷりと怒りながら先に行ってしまった。
 僕はあわてて後を追い、階下に降りる。


 僕が下に降りるとカウンターに金貨を広げ、ニヤニヤしながら数えている男の姿があった。
 男は緑のバンダナをつけ、長めの茶色い髪を後ろで縛っている。
 緑の上着に、緑のズボン、これまた緑のブーツを履いており、半ズボンから出る足には茶色いタイツという僕ほどはいかなくても個性的ないでたち。
 どことなく木を連想するその体は結構細身だ。
 
バンダナや腰につけられたベルトに止められたナイフを見る限りでは彼はシーフのように見えた。
 


 シーフはダンジョンに仕掛けられた罠のチェックや解除、鍵のかかった扉や宝箱なんかの鍵開け、そして素早い身のこなしで敵を翻弄するという、手先が器用で身軽な人に向いた職業。
 確かバンダナとシーフ七つ道具、小柄な武器でシーフになることができるはずだ。
 シーフの恩恵は身が軽くなるとかそういうものだった気がする。


「リク!つれてきた!」
「おぅおぅ、ごくろーさん。」
 クイットに声をかけられリクと呼ばれた男は小さな袋に金貨を詰め込むとこちらを向いた。


 そして品定めでもするような目で僕を上から下まで眺め回す。
 彼は明るいちょっと赤みがかかったような茶色い目をしており、どことなく狼みたいで一度目をつけられたらとても厄介な気がした。
 年はよく見ると僕と同じか、一つ上くらいに見える。
 ここには大人ばかりがいるだろうと思っていた僕だったけど、少し安心した。


「へぇ、確かクイットの話によるとそのローブの上にアーマーまでつけてたって話じゃねぇか。」
 不意に彼が言った。
 初対面なのにずいぶんと口が悪い。


「そうだけど。」
 僕はむっとしながら返事を返す。
「ふ?ん。」
 そいつは僕の表情を見てにやりと笑うと
「・・・あ、それでだ。明日は俺、クイット、オメーの3人で依頼こなしに行くからな。たぶん今日冒険者グループのヤツは俺しか帰ってこねーから。」
 見た目の話からは離れそう言った。


 冒険者グループ?
 それってこの店の冒険者の人たちのことをさすのだろうか?


 でも、この3人で冒険?
 ・・・クイット、そしてリクと呼ばれたこいつ。
 僕が苦手な性格の人ランキング上位にどちらも食い込んでいる。
 やはりうまくやっていける自信はなかった。


「お、そーだ。オメー名前聞いてなかったな。名前は?」
「・・・ケイオス。ケイオス・ニル・ウェグナ。ケイって呼んでくれればいい。」
「そーか、ケイだな。俺はリク・アロンゾ。呼び捨てで構わねー。」
 お互いよろしくな、と挨拶を交わす。


「じゃ、自己紹介も済んだことだしさ。店の開店準備するよ!」
「え?僕らは冒険だけなんじゃ?」
「誰が冒険“だけ”なんていった?冒険もしつつ店もやるの!」
 クイットの剣幕に押され僕は不承不承うなずくしかなかった。


 それを見ていたリクが笑いをこらえてるのを見て、いっそ蹴っ飛ばしてやろうかとも思ったけど、止めておく。
 僕はシーフに攻撃を与えられるほど身軽ではなかった。

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