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RAINBOW STORY - 16 Entering a room -

「フェザー待たせたな! それじゃ、お客さんを案内して……フェザー?」
 おじさんが話しかけてもフェザー君は俯いたままで返事がない。


 そういえばさっきからずっと俯いてたな。
 どうしたんだろう?
 体調でも悪いのか?


「フェザー、おい! 話は終わったぞ!」
 おじさんはしゃがんでフェザー君の肩を大きく揺すった。


「ふにゃぁ?」
 するとそんな間の抜けた声を出してようやくフェザー君は顔を上げた。
 そして眼をこすり、あくびをしてゆっくりと伸びをする。
 どうやら話をしていた間中、立ったまま寝ていたらしい。


「すいませんねぇ。お客さん。フェザー! この人達を部屋へ案内してあげてくれ」
 おじさんはそう言いながら立ち上がった。


「あ、そうそう、部屋の鍵を見せれば、そこの食堂割引になるから、ぜひ利用してくれよ」
 おじさんはニカッと笑う。


「えぇっと、それでは、4名様ご案内~」
 そしてフェザー君は片手を上げて、階段を上り始めた。
 俺達はその後に続く。


 フェザー君は3階まで階段を上がると、階段に一番近い部屋の前で止まった。
「お客様のお部屋はこちらの301号室と、お隣の302号室になります。どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ」
 フェザー君は慣れたようにそう言い、ぺこりと頭を下げ、去って行った。


「賢そうな子だったな。お前とは大違いだ。お前、“どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ”なんて言えないだろ」
 ブラストはフェザー君の後姿を見ながら、意地悪そうに言った。


「なっ! 俺だってそれくらい言える! どうぞごゆっくりおつくろぎくださいませ、だろ?」
 俺が自信たっぷりにそう言うと、ブラストは吹き出した。
 リリスとフラウは苦笑いを浮かべている。


「フレア、おつくろぎ、じゃなくて、おくつろぎ、だよ」
「え? え? 俺今おつくろぎって言った? おくつろぎってちゃんと言ったってありゃ? どっちがどっちだ?」
 リリスに訂正され、俺は否定しようとしたが、今やどっちが正しいのか分からない。


「お前さっきはっきりと間違えたぜ。やっぱバカなのな~」
 ブラストがにやにやと笑う。
「うるせぇ! このやろー!」


「まぁまぁ、フレア。落ち着いて、早く荷物置いて、ご飯食べよう。ね?」
 俺が怒鳴るとフラウになだめられた。
 でも確かに俺の腹は減ってきている。
 それに荷物も重い。


「それじゃ、私とフラウがこっちの部屋使うから、フレアとブラストはあっちの部屋ね」
 リリスはそう言うと、ブラストから301号室の鍵を受け取った。


「それじゃ、俺たちは302号室だな。フレア、ちゃんと覚えとけよ?」
「たりめーだ!」
 ブラストの言葉に俺は怒鳴り返す。


「それじゃ、荷物置いたら、食堂でご飯食べようね!」
 俺達が話している間に女子二人は部屋に入ったようで、フラウの声がした後、俺達の前にあった扉が閉まった。
 これを見て俺達も自分達の泊まる部屋の中へと入る。


 部屋の中には大きなベッドが二つ並んでいて、入り口近くには大きなクローゼットが置いてあった。
 部屋の奥に入ってみると、ドアが一つ見える。
 俺は早速そのドアを開け、思わず歓声を上げた。


「おい、ブラスト! 風呂だ! シャワーまであるぞ!!」
 俺大興奮!
 俺たちの住んでた村にはシャワーなんてものなかったぜ!!


「おい! フレア! 街じゃシャワーなんてものは当たり前なんだよ! 俺たちの村が田舎過ぎるだけで、こういう町ではシャワーなんか珍しくもなんともねぇの!!」
 ブラストは面白くない返事を返してきた。
 俺はなんだよ~、とブツブツ言いながら風呂の戸を閉める。


 ブラストの方を見ると、既に荷物を置き、弓と矢筒をベルトから外しているところだった。
 俺も背中に背負っていた巨大なリュックを床に下ろす。
 邪魔なので腰につけていた剣も外した。
 たぶん飯食べたらすぐここへ帰ってくるだろうし、剣は必要ないだろ。
 剣は食事にいらないからな!


 こうして俺はそっと壁に剣を立てかけると、改めて部屋を見渡した。
 ベッドが並べて置いてある奥には鏡台があり、その奥には大きな窓がある。
 窓には既にカーテンがかけられていて、外の景色は見えない。
 俺は外を見ようと思い、窓へ近づこうとすると、視界の端に四角い箱のようなものが見えた。


 も、もしかして……これは!

>17話へ
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