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Another fantasy ?9?

 僕は一瞬の間にいつぞやに見た冒険者用雑誌での目の前に現れたそいつらの解説を思い出した。
 そこにはこう記されている。


『皆さんは史上最凶とも呼ばれるモンスターを知っているだろうか。
 そう最“強”ではなく最“凶”だ。
 それは最も遭遇したくないモンスターと言っても過言ではない。

 その名も「ジャイアントG」。
 名前だけだとどんなものかぱっと見わからないだろう。
 ジャイアント、それは大きい、巨大な、という意味合いを持つ。

 そしてGというのは何を意味するのか。
 それは誰もが知っており、誰もが忌み嫌うあの虫の略だ。
 食べ物がある場所に現れ、茶色くてかてか光るボディーに、ひょっこりと生えた触角。
 ここまで言えば誰もがわかるだろう。
 名前を載せる勇気が私にはないため、ここにその虫の名を書くのは控える。

 そして、皆さんにお分かりだろうか。
 巨大なGの恐ろしさが。

 そう、見た目だけでも身がすくみあがるが、一番恐怖が増幅されるのはそいつらが立てる音がある。
 普段はGの足音が聞こえるなんてことはまずないだろう。
 漫画なんかではカサカサという音で表現されているが、実際そんな音が聞こえることはない。
 家にいたらカサカサと音がした。
 そこでGを連想する人はまずいない。

 しかし、ダンジョンの中では別だ。
 カサカサという音を聞いたら、それはもしかするとジャイアントGかもしれない。
 ちゃんと心を決めて前に進まなければ暗がりからそいつが出てきた途端卒倒してしまう危険性がある。
 それほどまでにヤツのビジュアルは凶暴なのだ。

 さらにモンスター化したヤツは雑食である。
 突如対象にダンジョンに押し入り、そこに住むモンスターを食い荒らしたという報告もいくつかあるくらいだ。
 

 そして死体も生きているものもやつらにとっては関係ない。
 なんにせよすぐに食らいつき、食す。
 何せ彼らは生きるのに必死だ。
 仲間が多くなかなかえさがまわってこない。
 食事はすべて早い者勝ち。
 その必死さゆえにとてもしぶとく、また従来のGと同じくして大変に生命力が強い。
 

 さらに殺気を察知する力があるようで倒そうと剣を振りかざしでもすれば、今度は顔面に飛んでこようとするだろう。
 そう、彼らは人間が自分たちの見た目を恐れていることを知っているからだ。
 そして、どこの部分が一番苦手とされているのかも。
 

 さて、長々と語ったが、もし遭遇すればどうすればいいのかを記しておく。
 やつらは硬い装甲をもち剣など刃物での攻撃でダメージを与えるのは難しい。
 一応足の密集したほうはそこまで硬くないがそこを見てしまえば攻撃どころではなくなるのが必須だ。
 

 一番有効なのは炎での攻撃だろう。
 やつらは火を恐れる。
 火で攻撃を仕掛ければ、あっさりと退散してくれるはずだ。
 

 火を魔法で出す場合はできる限り詠唱やチャージが少ないものにするのがよい。
 なぜならやつらは魔法を使おうとする際の隙を突いて飛び掛ってくる可能性があるからだ。
 

 なんにせよ、普段から虫への耐性を上げておくに越したことはない。』

 

 というように記載されていた。
 僕はあまりにその記事が強烈だったため今でも内容は鮮明に覚えている。
  そしてこのモンスターは僕だって一番敵にまわしたくなかった。


「ちょ、何っ・・・むぐ!」
 なおも喋ろうとしたクイットの口をリクがふさぐ。
「お前は見ないほうが懸命だ、絶対に目を開けるな。喋るんじゃねーぞ。」
 リクはそういうとゆっくりとクイットから手を離した。
 クイットはおとなしく目をつむり耐えている。


「で、どうするよ?」
「こいつら確か火が弱点なんだ。僕は一応火の魔法は使えるけど、魔法を使おうとすると飛び掛ってくるらしい。」
 僕が言うとリクはマジかよ、と顔を引きつらせた。


 そう言っている間にもGたちはものすごいスピードでこちらへと迫ってくる。
 もう部屋中の穴という穴からやつらは数限りなくあふれ出ていた。


「ね、ねぇ、もう我慢できないんだけど!」
 クイットがまぶたを震えさせて言うった。
 こいつらを見ていないからそんなことがいえるんだよ!
 絶対目を開けたら後悔する。


 でも目をつむっているのも怖いのだろう。
 全ての方向からカサカサいう音が聞こえているのだから。
 そう、逃げようにも既に僕らは取り囲まれていた。


「ケイ!とりあえず魔法使え!」
「わ、わかった。」
 こうして僕は魔力を火の力へと変換する。


 魔法を使うには魔力を自分の力で変換する方法と、詠唱により力を変換させる方法、または両方を組み合わせたものが存在する。
 僕は後者、最後に掛け声のように魔法の名前なんかを叫び、威力を増幅させるものだ。
 そしてどの方法にしろ魔法の発動には時間がかかる。


 目の前のGたちは魔法を使おうとする僕を見て一瞬動きを止めると一斉に羽を広げた。
「ひぃ。」
 僕は思わず悲痛な声を漏らす。


 そしてその僕の声と新たに聞こえたGの羽音に我慢できず、クイットが・・・目を開けてしまった。
 一瞬の間が空く。
 クイットの目が大きく見開かれた。


 そして次の瞬間。


「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


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