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RAINBOW STORY - 79 Leader in nekobonn -

「あ、自己紹介がまだでしたね。僕は「ジル」といいます。あなた方は?」


 そう聞かれ、俺達は一人ひとり自己紹介をした、最後に俺が「俺はフレア、よろしくな!」と言ってみたのだが、ジルは俺の方を全く見向きもせずフンと鼻を鳴らしただけだった。
 ほかのみんなの時はよろしく、だとかいろいろ相槌を打っていたのに、俺にだけ妙に冷たい。
 何でだ!


「見た感じ……、あなたはかなりのねこボン好きのようですね」
 俺の事は無視しジルはブラストに向き直った。
 ブラストは困ったように額を押さえている。


「別に俺はねこボン好きってわけじゃ……」
「いえ、言葉で隠してもわかりますよ! あなたのねこボンへの熱意は!」
「いや、待てって! 俺は本当にねこボンのリーダーなわけじゃな……」
「いえ! 一度はリーダーだと宣言したのですから! ちゃんと熱意もありますし、あなたからは何か強い力を感じます! あなた様ならきっと我らを繁栄へと導いてくれるはず!」というようにブラストがいくら反論してもジルは全く聞き耳を持たなかった。


 ブラストは上を見上げ、大きく溜息をつく。
 その表情は嫌そうではあったが、やつの頬は赤い。
 やはり、ねこボン好きだというのは事実なのかもしれない。


 だが!
 リーダーなら断然俺の方が向いてるだろっ!
「おい、ジル! リーダーならブラストよりも俺の方が向いてる! 俺がやってやるよ!!」


 俺が言うとジルはものすごい形相でこちらを睨みつけた。
 思わず次の言葉を飲み込んでしまう。
「黙りなさい! お前からは悪しき力を感じる!」


 そう言うと今度ジルは見た目は人間のままだが猫のような低い唸り声を上げ始めた。
「お前のような悪しき者がついているから、ブラスト様は先ほどから嘘ばかりおっしゃっているのだな!」
「へ!?」
 ブ、ブラスト様?!


「このようなねこボン好きの方ならば、ねこボンの頼みとあらばすぐに受け入れてくださってもいいはずなのに……!」
 ジルのやつ今度は涙をぬぐうような素振りをし始めた。
 アレ?
 もしかしてほんとに泣いてる?
 今ちょっとやつの目元がきらって光った気が……。


「お、おぃ、ジル……っつったな。お前落ち着けよ。リーダーになればいいんだろ? なれば、さ。だからこいつを悪しき者呼ばわりしてくれんなよ」
 ブラストが、たじたじになっている俺の前に立ち、なだめるとようやくジルは落ち着いた。
「す、すいません。お見苦しいところを」
 そう言ってジルは目元をごしごしとぬぐうとにっこり笑った。


「ようやくリーダーになると言っていただけました。それでは早速試練を受けに行きましょう」
「え? ……試練?」
「そうです。あなたの力を試すんですよ。試練の洞窟まで案内しますからついてきてください」
「な、何さも当たり前みたいな風に……」
 ブラストがしどろもどろに何か反論しようとするが、ジルはすたすた先立って歩き始める。
 


 だが、それをアイルが呼び止めた。
「試練の……洞窟? それってもしかしてここ?!」
 アイルの手にはこの島の地図が握られ、そこには俺達の目指していた洞窟も記されている。


「え……? どうしてここの地図を持っているのですか?」
 ジルの表情が一瞬固まり、アイルの持つ地図へと駆け寄った。
「でも、確かにこれから向かう洞窟はその洞窟ですね……」
 ジルはアイルから地図を受け取ると隅から隅まで眺め回す。


「あの、案内しながらですが、話を聞かせていただけますか?」
 そのジルの言葉にアイルは頷き、なぜかジルの目の敵にされた俺、そして、先ほどから何も話さないレイさん以外がこれまでの経緯を代わる代わる話し始めた。


                                :


「そうですか……。その探し物が何をさしているのかはわかりませんが、試練を受けがてら探してみるといいのではないでしょうか」
 ジルにこれまでのことを簡単に説明し、その洞窟内にアイルの探し物があると伝えると、ジルは首を傾げてそう言った。
 アイルが異世界から来た人であるということはなかなか信じ難いから言わずにおいたんだけどな。
 


 そして、気になる試練についてはブラストが口を開いた。
「それで、その試練って言うのは?」
「それはですね、例の洞窟の奥に宝箱がありますので、その宝をとってくることです。無事宝を持ち帰ることができれば試練達成となります。まぁ試練といいましても、本来はねこボン用ですから、皆様にとっては規模の小さい冒険になると思いますけれど、ね」


 最後何か引っかかる言い方だったがが、確かにねこボンくらいの小さいやつら、といっても目の前のジルは人型に変身しているけど、とにかくねこボンサイズのダンジョンくらいならそう時間はかからず突破できるはずだ。


「でもなんでそんなに俺をリーダーにしたいんだよ?」
「それは……」


 ジルは何か言い辛そうに俯いてしまった。


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