スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

RAINBOW STORY - 80 Jump!! -

 ジルが口を開きかけた時だった。
 不意に後ろの茂みから何か生き物がいるかのようながさがさという音が!
 急いで振り返ったがそこには誰もいない。


「……ねこボンか?」
 俺がそう口走ったが「いや、さっきの音からしてねこボンではない。……音の大きさからすると誰か人がいたのではないでしょうか」ジルのやつ俺にだけタメ口かよ。
 いや、そんなことより、人?


「ここには誰か人間が住んでるの?」
「いえ、ここにはねこボンしか住んでいないはずです」
 今度はリリスが聞いたがジルは首を振るばかり。
 この島にいる人間は俺達、そして浜辺で待っているであろう、バロンだけのはずだ。


「それじゃぁ、モンスターですか?」
「いえ、ここにはねこボンより大きなモンスターは生息していないはずですよ。さっきの茂みの音はねこボンがたてるより大きな音でしたから」
 ブランの質問にもジルは首を振った。


 それじゃぁ、もしさっきの音の主が人間だったらいったいそいつは誰だ?
 そして、振り返っていなかったということは逃げ出したということなのか?
 逃げ出したということは味方ではないのか?
 だが、俺の頭ではいくら考えても答えは出てこなかった。


                                 :
 


 ジルに連れられ歩くこと小1時間、森を抜けようやく私達は洞窟前へとやってきた。
 その洞窟前には立ち入り禁止と真っ赤なペンキででかでかと書かれた看板が立ててあったんだけど、風雨にさらされているせいかペンキがたれ、看板はまるで血が足れているかのよう。
 洞窟の入り口はそれはそれはおどろおどろしい雰囲気だった。
 


 今私達は後ろからするジルの声に指示され、洞窟に少し入ったところで全員横一列に並ばされている。
 天井は背の高いフレアの頭すれすれ、横幅はぎりぎり私たち全員が並べるくらいはあった。


「それでは横に並んだままもう少し前……はい、そこでいいです」
「お~い、ジル! こうやって並んで入らせてどうするんだよ? 幅もぎりぎりで狭いんだが!」
 ブラストさんが痺れを切らして大声を出した。


「は、はいスイマセン! でも、もう試練の準備ができましたので! それでは皆さんできるだけ思い切り前へジャンプしてください! 健闘を祈ります!」というジルの声が終わるやいなや、辺りは低い地響きの音に飲み込まれていた。


 だんだん後ろから差していた入り口の光が小さくなっていくのに気づき、慌てて振り返ると、なんと入り口がぴったりと塞がれている。
 どうやら私達は閉じ込められてしまったようだ!


「ど、どうしよう?!」
 リリスの慌てた声が隣から聞こえる。
 もう辺りは真っ暗で何も見えない。
 ただ横に誰かいるというのだけは気配で分かった。
 リリスの声に返事が返ってこないということは、きっとジルは洞窟の外にいるんだろうな。


「どうしようも何も、ジルのやつが前へジャンプしろって言ったんだから、そうするしかないだろ?」
 少し間を空けてフレアののほほんとした声が少し離れた所から響いてきた。


「ジャ、ジャンプって何も見えないんだよ?」
 そう言ったりリスの声は心なしか震えているように感じる。
 確かに何も見えない空間に自分の身を投げ出すのはかなり怖い。


「んなこと言ったってな……」
 フレアは相変わらず緊迫感のあまりない声で困ったように言う。
 きっと彼は怖いっていうことより好奇心のほうが強いんだろうな。
 私も怖くもあるけど好奇心だって負けちゃいない。
 みんなが跳ぶなら私だって躊躇なく跳ぶだろう。


「そ、それではみんなでいっせーのーで、で跳びましょう! みんな一緒ならきっと怖くないはずです」
 今度はブランの声が聞こえた。


「そう……だね、それじゃいっせーのーで、で跳ぼう……」
 リリスがそう言い、一瞬の間が空いた後 「いっせー……」と再びリリスがそう声をかけ、他の人もつられて声を上げる。
 私も掛け声に加わった。


「のーでっ!!」
 そうして、私達は一斉に思いきりジャンプした。
 ざざっという各自が踏み切る音が聞こえる。


 そして、着地しようと思ったのも束の間、前方には足がつくはずの地面が……


 なかった。


>81話へ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。