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RAINBOW STORY - 82 Trap -

 カツーン コツーン カツーン コツーン 
 洞窟を歩き始めた俺達だが、特に話すこともなく、聞こえるのは俺達の足音だけ。
 


 カツーン コツーン カツーン ぼふっ コツーン カツーン コツーン


「……なぁ今、ぼふっ、ってなんか落ちるような音がしなかったか?」
「ん? そうか? 俺には聞こえなかったけどな。」
 アレ?
 おかしいな、さっき確かに何か落ちるような音がしたんだけど。
 ブラストは耳がいいから聞こえてるだろうと思ったんだが、さっきの音は俺の気のせいだったのかな。


「それより、俺はいつまでこの耳やらしっぽやらつけてないといけないんだ?」
「いや、知らねーよ。まぁ、しばらくはその格好でいた方がいいだろ」
 そんなことを話しながら歩いていると前方に何かがぼんやりと立ててあるのが見えた。
 目を凝らしてみると、どうやらそれは看板のようだ。


「おい、看板だ! 行ってみようぜ!」
 駆け出そうとした俺だったが、急に誰かに腕を掴まれた。
 てっきりブラストかと思ったが、ブラストは横にいる。
 


 振り返ってみると俺の腕を掴んでいるのはなんとアイルだった。
「な、どうしたんだ?」
 アイルは何かむっとしたような、それでいて真剣な表情をしている。


「なぇ、この中にシーフっていないの?」
「しーふ?」
 アイルの口から出てきたのは聞き慣れない単語。
 


 それでいつものように俺しか知らない言葉なのかと思ってみんなを見回してみたが、アイル以外のみんなも同じようにきょとんとした顔をしていた。
 そんなみんなの表情を見て慌てたのはアイルの方。


「え? みんなシーフが分からないの? ほら、こういうダンジョンに来たら罠とかがあるかもしれないでしょ? それをチェックする人だよ!」
 その説明を受けようやく俺以外のみんながあー! と納得したような顔を浮かべる。
 残念ながら俺には何も納得できない。


「何だよ、何だよ。みんな何が、あー! なんだよ?」
「ほらフレア。いくらあんたが勉強してなくてもチェッカーくらいわかるでしょ?」
 俺はその単語を聞いてようやくぴんと来た。


 そうかチェッカーか!
 チェッカーっていうのは確か罠を発見する人、道具、職種などいろんなものを指し、チェッカー兼魔法使いなどチェッカーの技を持ちつつ、戦士や魔法使いなんかの職業についているものが多いんだ。


 そして、ダンジョンに出向くには、チェッカーの技をある程度習得したものがいないと簡単に命を落とすから、絶対冒険するときはチェッカーを含んだメンバーにするようにと、村の学校で先生に口を酸っぱくして言われていた気がするけど、今の今まですっかり忘れてたな、ははは。
 


 そうして俺が記憶を掘り起こしている間にブラストやリリスの表情が青ざめた。
「おい、俺たちチェッカーの技なんて覚えてないぞ」
「それって、この先罠があっても何も分からないってことでしょ?」
 そう口々に言い始める二人。


 が、しかし、俺たちには新たなメンバーがいたのだ!
「ふっふっふ、皆さん。僕がアイテマーだというのを忘れていませんか? 罠なんて僕が道具の力を使い、全て見抜き解除して見せますとも!」
 エッヘンと胸を張ったのはブランである。


「おおおおぉお!」
 俺達は思わず歓声を上げた。
「伊達にアイテマー名乗ってませんからね」


 そして、ブランはポケットから何やらレンズのようなものを取り出すとメガネに装着した。
「これは僕が開発した超高性能トラップチェッカー! これさえあればトラップなんてあっという間にお見通しです!」と言うとそのままブランは辺りを見回す。


 俺達はその様子を固唾を呑んで見守った。
 そして、辺りを3回ほど見回し終えブランが俺を見据えて一言、「なんっにもありません!」とのこと。


「なんだそりゃ!」
 俺が言うとアイルが情けない笑い顔を浮かべる。
「ごめん。心配しすぎだったかな?」
「いやいや、アイルはいいことに気づきましたよ! ここに罠がないにしてもこの先には何が待ち受けているとも限りませんからね!」


 ブランがフォローし、アイルは今度は照れたような笑いを浮かべた。
「それじゃ、罠がないなら早くその看板見てみようぜ!」
 俺はいち早く駆け出し、看板の前へと走りよる。


 そして、そのとき何か足元でかちりという音がした……気がした次の瞬間俺の頭上の上に何かが降ってきた。


「ぬぁ?!」
 ゴスッと鈍い音をたて、俺の頭に激突したそれは、次にガシャッという金属的な音をたてて地面に落ちた。


「つつつ……」
 くそ、涙がにじんできた……不意打ちとか卑怯だろ?!
 そう思いながら俺は落ちてきたものを見下ろす。


 それは肉球柄の風呂敷包みだった。


>83話へ
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