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RAINBOW STORY - 83 Some adornments -

「わ! フレア大丈夫?!」


 とっさの出来事に固まってしまった私達だったけど、いち早くリリスが我に帰り、フレアへと駆け寄った。
 そして、リリスはフレアの頭から強引に手を引き剥がし、フレアの頭の様子を検査する。
「わぁぁ、すごい石頭。たんこぶもできてないよ」
 リリスは目を瞬いた。
 わぁ、すごい、さっきの音からして漫画なんかだったら、次の瞬間たんこぶができてるよ。


「にしても何が落ちてきたんだ?」
 フレアのことはリリスに任せ、ブラストさんは落ちてきた風呂敷包みを拾った。


 風呂敷はなぜか肉球柄。
 まぁ、ねこボン達のダンジョンということだから、仕掛けが猫らしいものでも納得っちゃ納得だけどさ。
 なんか気が抜けるというか、緊迫感がないというか……。


 そんなことを私が考えているうちにブラストさんは風呂敷包みを解いたようで地面に中の物を広げた。
「これってアクセサリーじゃない!」
 それを見るなりリスの目が輝く。


 そう、風呂敷にはいくつもの装飾品類が包まれていたんだ。
 私もこれには興味津々、広げてあるアクセサリーの数々を覗き込む。
 指輪、ネックレス、ブレスレットなどなど、どれも宝石のようなきらきらと光るいろんな石がいくつかついていた。


「あれ? この紙みたいなやつは?」
 もう痛みが治まったのか一緒に風呂敷に包まれていた物を眺めていたフレアが装飾品たちの中に手を突っ込んだ。


「あ!」
 思わず私とリリスが声を上げてしまうがフレアはお構いなし。
 ……これって触ってもいいものかと思っていたんだけど、触ったところで特に問題はなさそう。


「う~ん、この風呂敷の中身には特に仕掛けや罠はなさそうですし、看板の前の地面にさっき何かスイッチのようなでっぱりを見つけましたが、それ以外は何もないようです」
 さっきから地面や壁を隅々まで眺め回していたらしいブランが後ろから声をかけてきた。
「そうか……でも、その地面のスイッチっていうのは罠じゃないのか?」
「いえ……何と言うかそのスイッチは悪意のある罠ではないようです」


「悪意のある罠?」
 私は思わず聞き返した。
「あぁ、実はこのチェッカーは特別仕様で、悪意のあるものに特に反応するんです。ダンジョンの罠というのは大抵悪意を持ったものが仕掛けていますからね。あ、もちろん悪意がなくても罠にはちゃんと反応しますよ! それでここからが問題なのですが、このチェッカー、ダンジョンのヒントとなる仕掛けにはまったく反応しないんですよ」
 ブランが眉根を寄せてめがねに取り付けたレンズをこつこつ叩いた。


「いやぁ、この様子ではこのチェッカーまだまだ改良が必要ですねぇ。もし看板の前に立ったのがフレアじゃなかったらどうなっていたことやら。どんな仕掛けも見抜くものを開発しなければいけませんね」
 ブランは、はははと笑った。
 フレアはそれを見て少しむくれていたけど、すぐに視線を手に取った紙に戻す。


「で、フレア、その紙には何が書いてあるんだ?」
「え~っと、とりあつかいせつめいしょ、って書いてある。」
 ブラストさんの質問に返ってきた返事はこの通り。
 そう、その少し黄ばんで、ぼろぼろの紙にはひらがなでそのように書いてあり、何枚か束ねてあった。


「説明書? つまりこの装飾品類の説明ってことか?」
「あぁ、たぶん」
「そんじゃ、フレア、それ読んでみてよ」
 リリスが促すと、フレアは短く返事を返し、紙を1枚めくると中身を読み始めた。


「えっと、これらの装飾品についている宝石には大いなる力が眠っている。その力を我らは……キャ……キャ……なんて読むんだこれ?」
 フレアが急に言葉につまった。
 なんだなんだと紙を覗き込むとそこにはCat’s パワー! と書かれている。


 その字はとても汚くミミズがのたくったよう。
 急いで書いたのかところどころインクが散ったような黒い染みがついている。
 漢字で書いてある部分にはわざわざ振り仮名が振ってあるというのになぜ英語の部分には何もないのか。
 というか日本語で文字が書かれていること自体驚きだ。
 それとも私には日本語に見えるけれど彼らには違うように見えているのかな?


「キャッツって読むんじゃない?」
 私がいろいろと思いを巡らしている間にリリスが言い、ようやくフレアは続きを読むことを再開できた。



「えっと、それを我らはきゃっつパワー! と呼ぼうと決めた。……これって魔力のことだよな?」
「あぁ。まぁそうなんだろうな。でもねこボン達は魔力という言葉を知らなかった。だからそんな呼び方にしたんだろう」とブラストさんは冷静に語ったが私とリリスは苦笑い。
 いやいや、もっといいネーミングセンスの持ち主はいなかったのか。
 もう少しいい呼び名があるでしょうに。


「んじゃ、続き読むぞ。……きゃっつパワー! を使うことで我らは水の力や風の力など、自然の力を操ることができ、きゃっつパワー! を秘めた石の採掘場も近年開発できた。どうやら、我らが住むこの島にはこのような石が多く眠っているようである」


「こ、これは大発見ですよ! その石とはきっとマセキのこと! そのマセキの採掘場があるという話じゃないですか! マセキの値段は日に日に高騰しています! いくつか分けてもらえれば学校を建て直すくらい簡単ですよ! うまくいけば前よりいい施設を作ったり機材を買うことも……!」
 ブランは目……いや、メガネを輝かせた。


 ……ところで、マセキって何よ?
「ねぇ、ちょっと聞いていいかな? マセキって何?」


「は?!」
「え?!」
「うそ?!」
 私の質問に各自思い思いの声を上げ、信じられないという目で私を見た。
 表情をほとんど変えないレイさんまでも。


 え?
 何なの、ほんとにそのマセキっていうのは!


>84話へ
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