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RAINBOW STORY - 21 Small hand -

「う……凄い音だったな……。倒した……のか?」
 振り返るとブラストが耳を押さえながら物陰からゆっくりと姿を現すのが見えた。
「や、やるね~、フレア……」
 フラウとリリスも少しふらつきながら出てくる。


「へっへ~、俺だってやるときゃやるんだよ!」
 俺は3人の前でえっへんと胸を張った。
「あ、そーだそーだ。フェザー君たち、大丈夫か?」
 俺はくるりと振り返る。


 振り返った先には、砂を払いながら立ち上がる占い師風の女の子と、まだへたり込んだままのフェザー君がいた。
 俺はフェザー君に手を貸し立たせてやる。


「う、うん大丈夫。まだ何もされてないから……」
 大丈夫と言いつつ彼の顔は引きつっている。
「まだ、何もされていない……か。あいつの目的は何か言ってたか?」
 フェザー君の“まだ”と言う言葉が気になったのかブラストはフェザー君にそう質問した。


「実は……レイさん……えっとこのお姉さんのことなんだけど……」
 フェザー君が手で示すと、レイさんは軽く頭を下げる。
「僕らは、あいつに誘拐されそうになったんだ……」
 フェザー君は身を震わせた。
 相当怖い思いをしたんだろう。
 確かにいきなりモンスターに襲われ、さらに連れ去られそうになってしまえば、誰だって怖いはずだ。


 その割りに、レイさんに表情はないが。
「あ、レイさんは無口で、あまり話さないんだ。感情もあまり表には出さないし……」
 俺がレイさんをじっと見つめていると、フェザー君がそう説明してくれた。
 じゃぁ、ショックで話せないとかいうわけではないんだな。


「誘拐……か。さっきの……確かスピアって名乗ったな。そいつのことは知ってるのか?」
 ブラストがそう質問したが二人は首を振った。
 やっぱりあいつは完全に不審者だったようだ。
 やっつけて正解だったな。


「さっきのヤツって、一体何者で、なんで二人を誘拐なんてしようとしたんだろうねぇ?」
 リリスが首をかしげる。
 当の二人も何も誘拐されるような心当たりはないようだ。
 フラウもブラストも何も思いつかないようでお手上げ状態。


「あ、そういえば、手がかりになるかどうかは分からないけど、さっきのやつは確か僕らに会いたい人がいるって言ってたよ? 僕とレイさんを誰かに会わせたかったみたい。誰にかは何も心当たりはないけど」
 そう言われてもそれだけじゃ情報が少なすぎるぞ。


 俺達がそうやって一様に首をかしげていると、消えていた周りの店や建物の明かりがつき始めた。
 そしてどやどやと中から人が出てくる。


「あれ? さっきの変な奴がいないぞ?」
「それよりさっきの爆発と風はなんだ? 何があったんだ?」
「あ、もしかして、そこにいる人達が、あいつやっつけてくれたんじゃない?」
「そうか! さっきの爆発はそこの兄ちゃん達があのバケモンをやっつけてくれたときのものか!!」
 人々は俺達を見て口々にそう言い合っている。
 そして彼らはわやわやと俺たちに近づいてきた。


「あんた達がさっきのヤツをやっつけてくれたのかい?」
 近寄ってきた商人風のおじさんがそう聞いてきた。
「おぅ、俺がすっ飛ばしてやったぜ!」
 俺が再びえっへんと胸を張ると、群集から「おぉ!」とざわめきが起こった。


「本当か? よくもあんな気持ち悪いヤツを何とかできたな! 俺たちでもなかなか手が出せなかったって言うのに! キミ達、一体どこの出身だ?」
 今度は大きな剣を背中に背負った屈強な人が質問をぶつけてきた。
 こんな強そうな人ならあんな弱そうなやつ一ひねりだと思うんだが。


 そんな俺の考えを他所にリリスが質問に答える。
「私達はこの街の南にある森を抜けた先の村から来たんです」
「へぇ、あの村か! キミ達若いのにねぇ……! こんな年で旅に出るって言って親御さんたちには反対されなかったのかい?」
 商人風のおじさんからの質問に俺達の顔は一気に曇った。


 その顔を見て悪いことを聞いてしまったか! というようにおじさんの笑顔も消える。
 今までぺちゃくちゃと話していた、群集もしんと静まり返った。


「……私たちの村……誰かに襲われたんです……」
 しんとした中にリリスの声だけが響く。


「それから村を出た後に、とても強くて、怪しい男に会って……。そいつは仲間が村を襲った、そんなようなことを言っていました。何か……そいつらについて心当たりはありませんか?」
「どんな些細なことでもいいんです。そいつらについてでも、村の人たちについてでも……」
 リリスに続き、フラウもそう訴えた。


 再び、周りに集まった人たちは口々に何か話し始めたが、どの人も首を傾げたり、振ったりしているばかり、何か知っている人はいないように見えた。
 そんな中、群衆の中から小さな手が伸びた。


 ざわざわと手の周りにいた人々が避けていく。
 手を上げていたのはフェザー君くらいの幼い女の子だった。

>22話へ
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