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RAINBOW STORY - 93 Ice sculpture -

 私はゴーレムを睨みつけた。
 ちびっちゃいくせに調子に乗るんじゃない!
 


 フレアが受け止めていたゴーレムの手が離れ、体へと戻る。
 そして、もう一度殴りかかろうと考えたのか、反対側の手が引いた。
 


 今度はきちんとゴーレムの様子を伺いつつ、私はゴーレムから距離をとる。
 フレアも剣を片手に持ったまま、ゴーレムから離れた。
 


 こうして、ある程度距離をとると、私は雪の結晶が描かれたバッチを握り締める。
 このバッチは使ったことがないからどういう力が使えるのかわからない。
 とりあえずほかのバッチと同じように力を込めてみる。


「アイル、手からなんか白いのが出てるぞ!!」
 フレアが私の手を指差した。
 握った手を持ち上げると、確かに手からひんやりとした空気が漏れている。
 が、それ以上は何も起こらない。


 試しに手を広げてみたが、冷気が消えていくだけで何も起こらなかった。
 もう一度握れば冷気は出てくるものの、これでどうすればいいんだろう?
 フレアもどうするのか私の様子を見ている。


 そういえばゲームとかであったな、手に冷気をまとってパンチするっていう技。
 もしかしたらこれもそんな感じで、この冷気をまとった手で殴りかかってみて、初めて効果を発揮するのだろうか。


「お、おい、アイル! またくるぞ! どうすんだ?」
 フレアが言い、ゴーレムの方を見ると、やつは再び雄たけびを上げ、私の方へと突っ込んできた!
 そして、ある程度近づくとパンチ!


「ひやぁぁ!!」
 私は情けない声を上げながらも何とかかわす。
 レイさんは何やらもう一体のゴーレムに魔法を使っているようだし、ブラストさんやリリスはブランの手当てで忙しいようだ。


 やはりここは私が何とかせねば!!
 私の横をゴーレムの手が戻っていく。
 そうだ!
 ここがチャンス!
 ゴーレムは手を戻した後、少し硬直するんだ、そこを狙う!


「であぁぁぁぁ!!」
 私はバッチを握った右手を振りかざし、ゴーレムに突っ込んだ!
「うお?! アイル?!」
 フレアが何事かと驚く声がした。


 ゴーレムはまだ動けないまま、私を見下ろす顔の虚ろな目のような穴からは、黄色の光が見える。
 “あれ? この黄色いのは石?”
 一瞬私はゴーレムの顔で光っている二つの黄色い光に目を奪われそうになる。


 しかし、ゴーレムをゆったり観察している間はない。
 私は無防備なゴーレムの胴に向かって殴ろう……としたけれど、思い切り殴ったら私の手がとても痛いことになりそうなので、殴る瞬間手を広げた。
 広げた手がゴーレムの胴のど真ん中に触れ、握っていたバッチがぶつかるカチャリ、というとても小さな音が聞こえるほど、辺りは静まり返る。


 そして、私がすぐに身を引くと、ゴーレムの体から冷気が噴き出し、一気にゴーレムの体が凍りついていった。
 尖った氷が地面から突き出し、ゴーレムの体全体を飲み込む。
 


 そして、敵は先ほどまでと寸分たがわぬ形で氷像と化した。
 が、それを見届けた途端、私の体はいうことを聞かなくなり、足の力が抜けていく。
 私は地面にばたりと倒れてしまった。


「アイル!」
 リリスの声が遠くから聞こえた。


>94話へ
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