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RAINBOW STORY -26 Space only of white -

「うぅぅ、チャイ……。チャイ?!」
 私は慌てて飛び起きた。
 きょろきょろと辺りを見渡したが、ただ真っ白い空間が見えるだけだ。


 足の上には着ていたはずのない上着がかけられ、まるで体を冷やさないように置かれたかのよう。
 見た感じこの場所には誰もいないようだが、ここに私の上着があるなら誰かこれをかけてくれた人がいるのではないか?
 私は混乱しながらも立ち上がり、その上着を腰に巻く。


「そうだ、チャイだ!!」
 しばらくして私はここに来る前のことを全て思い出した。


 そうだ。
 確か、友達と遊びに行って、それから家に帰ってきた。
 それで、夕飯の準備をした後、お風呂に入りに行って……。
 そのときいきなり猫のチャイがお風呂場に走っていって、止めようとした私も一緒に湯船に落ちて、それでここにいるんだ!!


 ……って意味分かんないし!
 何で湯船に落ちてこんな所にいるの……?!
「ま、まさか……神隠し?!」
 確かそれっていきなりどこか知らない、遠い場所に飛ばされるんだ!


 ど、どうしよう……ここどこ?
 どこかの施設かなぁ。
 いくら辺りを見渡しても白ばかり。
 どこにも出口らしきものはない。


 途方にくれながら振り返ると……見慣れたおしりが……ってチャイじゃないか!!
 チャイは私に背を向け何かを威嚇するような低い唸り声を上げている。
 そして次の瞬間突然チャイは火がついたように走り始めた。


「あっ! 待って!!」
 私は反射的にチャイを追いかけていた。
 だが、私が全力で走ってもチャイには追いつくことができず、どんどん間が開いていく。


「待っ!! ぅわっ!!」
 私は足がもつれてしまいずっこけてしまった。
 見る間にチャイは私から遠ざかっていく。
「チャ、チャイ~……」
 私は泣きそうな声をあげながらも何とか立ち上がる。


 眼をこすりながら辺りを見渡してみたけれど、どこにもチャイの姿はない。
 再び途方にくれた時だった。


 眼の端に何やら奇妙なものが映る。
(黄緑色……?)
 真っ白な中に一つ黄緑色の何かが見えた。


 よく見るとそれは人の髪の色のようだが、そんな髪色の人なんて今までに見たことがない。
 そんな人とはあまり関わりたくはないが、誰もいない中一人でいるよりはましかもしれないな……。
 そう考えて私はその人影へと近づいてみることにした。


 近づいていくとだんだん細かいところまで見えるようになる。
 肩より少し長めの例の黄緑の髪は、あまりキレイではなかったが、その人の顔をみるとどうやら女性のようだ。
 見た目に関しては気にしていないのだろうか?


 そしてその頭にはナースがかぶっているような帽子をかぶっており、ニコニコとこちらを向いて微笑んでいる。
 悪い人ではなさそうだ。
 まぁあまり表情だけで判断するのはどうかと思うが。


 彼女の前には教卓またはカウンターのようなよく分からない真っ白な台が置いてあり、それに隠れて彼女の足の部分は見えなかった。
 服はポロシャツ1枚と質素な格好。


 よほどおしゃれに興味がないと見える。
 まるで芸人みたいだ。


 私は話しかけようかどうしようか迷いながらも近づいていく。
「あれ……? 見えてない……?」
 よく考えてみれば私は絶対見える所にいるはずなのに、彼女は表情も変えなければ、目線一つ動かさない。
 ずっと静止し、どこか遠くを見つめたままだ。


 まさか……人形?!
 そう思った時だった。

>27話へ
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