スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鬼畜と心配性とサポート役 第4章 1話

?雨のち曇り、ところにより一時迷子警報と血の豪雨注意報。

  イケメン喫茶町内侵略速報と茹で蟹色には十分お気をつけてください?



 窓の外では嫌がらせのように昼間のにわか雨が降っていた。


「誰だよ、生徒会ノートを交換ノートにした奴。」
 うるさい雨音を背後に、零斗は摘むようにしてノートを持ち上げた。ばらり、と文字が並んだページが開く。
 麻薬事件から早1週間が過ぎた。生徒会はいつものように活動を始め、小さなことをちまちまとやり過ごしている。


「さあな。」
 帝は椅子に座って、手元の文庫に視線を落としている。

 膝を組んで、静かな群青の瞳を伏せた彼の姿は、まるで優等生だ。
 実際、運動、学力、能力面においては文句の付けどころがない、まさしく優等生に相応しい存在。

 だが、彼の性格が全てに災いする。

 傲慢不遜な言葉遣いは、時として依頼以上の面倒な事を起こしてくれるのだ。


 そして、ノートを回してしまった張本人、黒は気まずそうに無言だった。

 手元のパソコンから、メモリーカードにデータを移す作業を終える。
 おもむろに、黒は視線をあげた。


「白からの連絡、見たわよね?」
「ああ。」
 帝は頷いた。


 窓の外が輝く。

 続きを話そうとした黒が、一瞬身を震わせた。
 鼓膜を突き破るような、爆発する低音。
 轟然とした落雷の音に、しかし帝は動じない。

 慌てたように零斗がパソコンを閉じ、黒は表情を強ばらせたまま画面を見つめている。


 帝は淡々とした様子で呟いた。
「落ちたな。」
「うへぇ。」
 零斗は顔に渋面を浮かべる。被害が出てなければいいが。
 


 ふと、窓の外が明るくなったような気がした。

 帝が視線を投げてみれば、雨は大分止んでいる。

 どうやら先ほどの雷が最後の合図だったようだ。
 


 夏休み前。

 生徒達は訪れる猛暑の夏の予感を楽しんでいる。


「3時間で終わって、俺たち暇だもんなぁ。このままゆっくりと……。」
「そういうわけにもいかないでしょ。」
 黒は生徒会ノートを見せる。噂、と書かれた欄を見て、零斗はため息を吐いた。
 根も葉もない噂だ。


 曰く、顔にとんでもない大きさの入れ墨を施した奴を校内で見た。
 曰く、投獄されていたはずの凶悪能力者が脱獄した。
 曰く、商店街の食堂改めレストラン「でりしゃす」の近くで何かの準備が行われている。
 曰く、その店の近くでは何故か猫が大量発生している。ちなみに人を見ると逃げる。


「…ま、ちょうど岩陰のおっさんから連絡あったし、暇だから行くか。」
 黒の無言の圧力に、零斗は目を逸らしながらそう言った。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。