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Another fantasy ? 52 ?

 熱を帯びた右手を見上げるとそれは白い、もやのようなものに包まれようとしていた。
 もやは、まるで虫の吐く糸のようで、どんどんと僕の手に絡まっていく。
 
そしてあっという間に僕の手は白い何かで覆われ、そして不意にあたりはまばゆい光に包まれた。
 


 僕は思わず目を瞑る。
 まぶしくてとても目を開けていられない。
 


 そして、まぶしい以前に手が熱い!
 通常ではありえないほどの熱を帯びている。
 もう手が溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱い。
 


 でも、この熱さは燃えるような熱さとは何かが違っていた。
 炎による熱は尾を引いて残り、火傷になったりただれたりもする。
 しかしこの熱は火傷をしそうという危機感はなかった。
 


 ただ本当に溶けそうなほど熱い。
 今すぐ井戸にでも手を突っ込みたい気分だけれど相変わらず僕の右腕は動かなかった。
 


 そして暑さのせいなのか、それともまたほかに要因があるのか、僕の意識は朦朧としてくる。
 まぶしくて瞑った目。
 こうして目を瞑ったままでいればすぐにでも眠ってしまいそうだ。
 


 思い切って目を開けてみようか?
 このまま眠ってはいけない。
 
僕の手はまだ上がったまま、これから“何か”を起こそうとしているから。
 もう少し抵抗すればこれから起ころうとしている“何か”をどうにか止められるかもしれない。
 


 僕は恐る恐る目を開けた。
 相変わらずとてもまぶしい。
 でも何とかまぶしさをこらえ、どうにか目が慣れてきた。
 


 顔を上げる・・・そこにあったのはさっきまで見えていた晴れ渡る青空ではなく、ただ何もない真っ白な世界だった。
 そう、ここはあの二人、悪魔と天使と出会った場所と似ている。


 そしてまだいうことを聞かない腕を見上げると、そこには伸ばされた3本の指の上に乗っかるように、美しく輝く球があった。
 だがたまには実体がない。
 輪郭線というのか、線が見当たらない。
 ただの光の塊のように見える。



 そして、僕はそのあまりの美しさに状況も忘れ見入ってしまった。
 確かさっき頭の中で読んだ言葉に“大いなる力よ、宝玉に変われ”という節があったっけ。
 ぼんやりとした頭でそう考える。


 そして僕は一度瞬きをした。
 一瞬にも満たない暗闇の後、目を開けたとき、見えたのは先ほどと変わらず美しく輝く球と、青い空。


「あれ?」
 僕は思わずそう声を上げ、上に向けていた顔を前に戻す。
 そこには相変わらず驚いた顔のまま立っているシーと彼に寄り添うように浮かぶ雲のような生き物マグ、そして木の上から下りてきたキトンとブレイズがいた。


 さっきまで真っ白な世界にいたのに、戻ってきたのか?
 あの白い世界は?
 僕がそんな疑問を口に出そうとしたとき、また僕の手が勝手に動き、次は前に突き出された。


 その手の先には光る球。
 球の先にはシーとマグ。
 その少し後ろにキトンとブレイズ。
 そして巨木。
 


 ぼくは瞬時に、その猛烈な熱を帯びた玉を、僕の右手は目の前に発射するつもりなのだと察した。
 


 それと同時にさっきから右手を覆う熱は一体何なのかも思い当たった。
 


 この熱は魔力によるものだ。
 あまりに密度の高い魔力は何者をも溶かすといわれているほど危険なもの。
 そして僕の3本の指の間に収まっている球はまさに高濃度の魔力そのものだった。

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