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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 5話

「妹さんの居場所に心当たりはないの?」
 生徒会室にて、黒は事情聴取していた。

 相手は早也。

 その隣に白が座り、ドアに近い壁には紅謳が寄りかかってこちらの様子を伺っている。


「…あるといったら………。」
「どこ?」

「学校の裏手にある温室、海側の植物園、あとは……開発途中の森です。」
 


 開発途中の森―――そう聞いた黒の顔に、浅い緊張が走る。

 何がヤバイのか分からない白が、正直に首を傾げた。


「開発途中の森は、まだどんな生き物がいるのか分かっていないのよ。」
 黒の助言に、「わかってら。」と白は答える。
 未開の森は、危険動物がいるのかどうか、まだ把握出来ていない。

 小さな子供が一人で入ったら、それこそ猛獣が出るかもしれないし、崖から落ちるかも知れない。

 そこら辺りの危険性は、おそらく子供だから分かっていないのだろう。


「いつ頃からいなくなったの。」
「今日の…家、帰ったら。」
「…あなた一体、いつ校長に依頼したの。」
「妹がいないな、と思って、すぐに、です。妹を探しても見つからなくて…。」
 決まった、とばかりに黒は手を一度叩く。

 目が覚めたような表情で、早也が黒の正面を見た。


「お兄ちゃんでしょ、しっかりしなさい。」
「…はい!」
 背筋を伸ばし、早也は力強く答えた。


「まずは白、あなたは速瀬君を護衛しなさい。」
「はあ?! 何で俺が…!」
「近距離ならその能力が役に立つからよ。脳細胞が筋肉で出来ているんだから、その分しっかり働きなさい。私はあなたたちをサポートする。で、紅謳さんは…」


 突然、ジャズセッション。

 部屋に響いているのは電子音が混じった曲だった。

 何事かと黒が部屋中を見回し、紅謳がポケットから深紅の折り畳み式携帯電話を取り出す。
 曲を止めてから携帯電話を開き、紅謳は電話をかけてきた相手の名前を見る。

 そして彼は、すぐに通話ボタンを押すように親指を動かした。
 曲が止まる。
 黒には一瞬、紅謳の頬が緩んだように見えた。


「俺だ。…ああ。分かった。すぐに行く。」
 短い会話で終了し、紅謳は通話を切る。
「悪いが野暮用だ。」
「へ?」
 それ以上喋らず、紅謳は部屋を後にした。

 その手に、しっかりとWiiリモコンが握られている。
 閉じたドア。

 足早に去って行く靴音。

 それから黒は、2人へと向き直った。


「…とりあえず、開発途中の森に行きましょうか。」

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