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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 14話

 黒の体が地面に叩きつけられた。


「…っ!」


 すでに頭を庇うだけで精一杯になっていた彼女は、そこで左の片腕が吹っ飛んでいることに気付いた。

 ぬめった血と切断面の肉の感触が、傷に触れた指から伝わる。
 脳が腕の切断を認識した瞬間、体を激痛が走りぬける。

 地面に赤い血溜りが広がり、黒は押し殺した悲鳴を上げながらも緩慢に身を捩った。


「あぐ…ぅう…。」
 すぐ傍に、自分の左腕が落ちてくる。

 投げつけたのは、離れた位置に立つ青年だった。

 近寄ることさえ出来ず、黒は風に殴られては叩きつけられ、浮かんでは落とされるということを繰り返されていたのだ。


「結構しぶといね。それじゃ、走馬灯も見ずに死ぬよ?」
 頭から残った右腕を離し、黒は歯を噛み締めながら青年を睨みつける。
「まあ、脳だけになってアンドロイドになるって手もあるけど、『黒 紫園』という存在は消えちゃうよぉ? だって、その時点で生き物じゃないからねぇ。」
 歩み寄ってくる歩調は、どことなく明るい。
「あー、いっそアンドロイドのほうが良いかもねぇ。僕はなりたくないけど、アンドロイドは不老にほぼ無敵の装甲がつくからさぁ。ど? 脳があるなら能力も付属しているから良いかもよ?」


 一体この青年は何が言いたいのだろう。
 というより何がしたいのだろう。

 伊家に取り付いていたと言っていたが、何が目的で。


(…能力を消す、麻薬)


 それを生徒達にばら撒き、彼が「屑」と考えた弱小能力の生徒達の力を奪う。
 青年に、一体何のメリットがあるのだろうか。


 ふと、傍に草を踏むような音が、黒の鼓膜に届く。

 緩慢に身を動かしたとき、横になった視界の中で、少年と猫が立っていた。

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