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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 19話

 零斗は抱えた黒の脈を測る。

 指先から伝わる振動に、まだ生きていると確認してから安堵のため息を吐いた。
 もうしばらく走れば、森から抜けられる。

 零斗はそう直感していた。


「大丈夫?」
 伊家猫が自分を仰ぎ見る。

 その瞳が、突然凍った。
 振り向いたとき、零斗に覆い被さらんと腕を広げる、巨大な影の波があった。


「な…っ!?」
 これも、何者かの能力の仕業か。

 そう考えた零斗の横から、突然目を潰さんばかりの閃光がはじけた。

 光の線は躊躇なく闇を突きぬけ、その物体を粉々に砕く。
 


 白い光の中で振り向けば、手を翳す1つの人影。

 どうやらその手から光線が発せられているようだ。
 


 光に目が慣れた時、視界に映ったのはオリーブのズボンに白のTシャツというラフな服装。

 左の瞳にありえない模様が入った、茶髪の青年。
 光が消え、闇に目が慣れるにつれて人物の姿が月に照らされた。


「よ、陽先生!」
「よ、生徒会長。校長からの連絡を受けて来たんだよ。」
 腰を下ろせ、と陽は手で指示をする。

 零斗は黒を下ろすと、とりあえず声をかけて何とか意識を覚醒させようとする。
 


 その間、陽はズボンのポケットから携帯を取り出していた。

 登録してある番号を押し、耳に当てる。


「…もしもし。こちらは岩陰 陽。速瀬 早也の妹、及び学生の生存を確認。生徒会の書記は重傷、何名かが傷を負っている。直ちに救援部隊に召集を掛けろ。」


 むせ返るような森の匂いが、僅かに血の匂いを帯びていた。

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