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RAINBOW STORY - 103 Preparation for ceremony -

「うおぉ! これうまい! これもうまいぞ!!」
 山盛りの果物に、机の上を埋め尽くす様々な魚料理。
 俺はあれもこれもと食べまくった。
 リリスやブラン、レイさんも黙々と食べている。

 ただ、ブラストだけは料理に手をつけず、一人、魚を串でつついていた。


「おい、ブラスト! 食わないんなら俺がもらうぞ!」
 俺は眉間にしわを寄せたままほとんど動かないブラストの前の皿をとろうとする。
 しかし、俺の手は思いっきり何かにはたかれてしまった。


「いてっ!」
 結構な強さではたかれたので、俺は思わず手を引っ込める。
 誰が叩いたのかと横を見ると、そこには低いうなり声を上げているジルが立っていた。


「ブラスト様の物にまで手を出すんじゃない!」
 俺が彼の顔を見るなり、かなりの大声で怒鳴った。
「うおぉ、そんなでかい声出さなくっても聞こえるって」
「聞こえる聞こえないの問題ではない!」
 俺が言うとさらにでかい声で怒鳴られた。
 こういうときは黙るに限る。


 ジルは黙り込んだ俺をもう一度にらみつけると、さっとブラストへ向き直った。
「すみません、ブラスト様。お口に合いませんでしたか?」
 俺と話すときとは声も話し方もガラリと変え、さっきまで覗いていた牙も今は口の中へと引っ込んでいる。
 えらい変わりようだ。


「いや、これから何が起こるのかと思うと、食べ物が喉を通らなくてな。別にまずいわけじゃない、おいしいよ」
 ブラストは眉間にしわを寄せたまま言った。
 その顔はちっともおいしいと思ってなさそうだぞ。


「そうですか。それじゃぁ、食事は儀式の後にしますか?」
 ジルが心配そうな表情を浮かべたまま言うと、ブラストは手に持っていた串を皿に置き、「あぁ」とだけ返事を返した。


「それでは、ブラスト様。儀式についてお話がありますのでこちらへ」
 ジルは俺たちに背を向け歩き始めた。
 ブラストは少し不安げな表情で俺たちを見たが、何も言わない。
 俺もなんと声をかければいいのかよくわからなかったし、第一口が魚で埋まっていたので、何も言えなかった。
 ブラストはゆっくりと立ち上がると、ジルの後へと続く。


 そして、ブラストがジルの元へと追いついたあたりで、ジルがこちらを振り返った。
「あ、皆さんは、準備が整うまでしばらくお待ちください。準備が整い次第呼びにきますので」
 俺以外のメンバーの顔を見てジルは言うと、ブラストをつれて森の中の道へと入っていった。


                            :


 周りでは大小様々、いろんな模様のねこボンたちがせわしなく動き回っている。
 彼らは俺たちが食べた料理の後片付けや、儀式の準備で忙しいようだ。


 さっき食事を取った場所はちょうど木の影になっており、涼しい。

 俺たちはブラストを待つ間はその周辺でのんびりと過ごすことにした。
 辺りは少し日が傾いてきてはいるものの明るい。
 今のところブラストもジルも帰ってこないし、準備ができたという連絡もなかった。


「あ」

 俺がうとうとし始めたとき、不意にブランが声を上げた。

「そういえば、”もばっち”っていうのをバロンから預かってきていましたよね?」


>104話へ
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