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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 22話

 カウンターから少し離れたところで、手荷物検査を受ける。

 事務所前の長椅子に座っていたときに、有栖 零斗は顔を顰めながら言った。


「どっちがストッパーか俺に教えてくれ。帝。」
「生徒会第一陣目で暴走してくれたお前が言うなよ、零斗。」
 美少年こと鋼 帝が意地悪く笑う。

 


 先ほどの先ほどまで、彼はずっと演技をしていたのだ。

 ちなみに零斗が心の中でつけたタイトルは、『純朴な少年(猫かぶり)』。
 
無意識にハンティングをしていることを教えてやろうかと思ったが、零斗は黙った。

 この親友は女に興味がない。全くない。
 


 許可が出たのはすぐだった。
 帝は土産に危険物が入っていないかを検査されただけで、とくに何も咎められずに院内の廊下へと足を踏み入れた。

 猫を被って行動しているから注意はされないが、後ろの零斗はそのピアスと刺青を注意されただけで、通る事が出来た。


「校長が色々手を回しているんだろうな。」
 零斗の呟きに、帝は手荷物を目線まで持ち上げる。

 外出用の帝の鞄だ。

 黒の部屋に入って鞄を取るのは、さすがに零斗が止めた。


「これでいいのか、土産って。」
 校長から生徒会室に送られてきた、黒のパソコンとヘッドフォン。

 零斗が持ってきた新しい音楽CD。

 それと、帝が買った本。


「…ところでさ、黒が欲しかったその本って、一体値段は幾らだ?」
「聞きたいか? 安いぞ。」
 耳打ちされたその値段に、零斗は思わず罵声を上げそうになった。

 病棟だから飲み込んだのだが、絶対に「安い」とは言えない値段だ。

 帝の両親にお世話になり、金に苦労したことない零斗も、安いとは言いたくない。
 零斗は吸い込んだ息を、声量を抑えた皮肉に使った。


「…坊ちゃまの金銭感覚は、俺たちより0が2つ3つ多いようだな。」
「俺はカードだ。」
「よけい腹立つ。」
 どうやら皮肉にすらならなかったようだ。


「…そこにいるのは、生徒会長および副生徒会長か。」
 固有名詞を呼ばれ、零斗と帝は振り向く。


 後ろから歩み寄ってくるのは、サングラスの青年、紅謳 羅威だった。

 帝が多少警戒したように呟く。
「あんたも、ですか。」
「渡す薬と情報がある。」
 横に並んだ紅謳の口から薬、と聞いて、零斗は伊家の言っていた「解毒薬」を思い出す。

 おそらくそれの事を指しているのだろう。


「にしても、遅かったですね。」零斗は探るように聞く。
 召集をかけた人物だから、最初に来ているかと思っていた。


「友人とファ●通を探していた。」


 意外な言葉を聞いたような気がしたが、帝と零斗は思わず「ああそう」と適当に相槌を打ってしまった。

 数秒後、
「…へ?」
 帝と零斗は顔を見合わせ、疑問符を浮かべて聞き直してみたものの、2度目はどうやら無いらしい。

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