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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 23話

 生徒会2人と紅謳が会う、少し前。
 カウンターで先ほどの美少年を思い出していた看護師は、更に現れた人物に心臓を飛び跳ねさせた。
 


 サングラスに黒髪、整った顔立ち。

 目の色は分からないが、閉じられた口から伝わる感情の無さ。

 どこのファッション雑誌に出てもおかしくは無いビジュアル系だった。

 背は結構高く、少し怖い気もする。

 おそらくこの青年は自分と同い年、あるいはもう少し年下だろう。


「501号室の、黒 紫園との面会を申し込みたい。」
 何だかこの部屋での面会多いなー、と彼女は上の空で思いながら事務所と連絡を取る。

 しばらくその横顔を眺めていようか、そう思ったときだった。


「おーい、紅謳さーん?」
 突如として響いた声に、看護師と青年が玄関ホールに振り向いた。
 がーん
 おそらく彼女の背景に効果音をつけるなら、そんな音があっていた。

 目の前の人物が、自分でさえ「可愛い」と思ってしまうような人物が、青年を見上げて可愛らしく小首を傾げる。


「僕も一応会ったほうがいい?」
「別にいい。待っていろ。」
 答えた青年の言葉も、無表情なのに何だか優しいように感じてしまった。
「そう? ならホールで待っているよ。『都』のアニ●イト、楽しみだなー。」
 何だかとんでもない言葉を聞いたような気がするが、看護師の心境はそれより遥かに大きいショックの大波が揺れている。
 別世界の光景のように、まだ目の前で会話が交わされていた。


「新しいソフトが出たんでしょ?」
「そうだ。」
「PSPの使い方とか教えてね。全く分かんないから。」
「分かった。…許可が下りたようだな。」
 ふと、電話向こうから自分を呼ぶ声。

 耳に当てると、向こうが青年と患者の面談を許可する言葉を連発していた。

 どうやら青年の手荷物検査は無いらしい。


「ど、どうぞ。」
「笑顔で行ってみよー!」
 どちらの言葉にも無言のまま、青年は廊下へと足を進める。

 それを見送った目の前の人物に、慌てて、しかしそれを気取られぬように看護師は聞いた。



「あの…あなた、さっきの人の彼女?」
 すると、驚いたように首をぶんぶんと振る。
「まさか、ただの真っ当な友人です。あと―――僕は男ですよ?」
 再び何だかとんでもないことを聞いたような気がして、看護師は視界を、思考から断ち切って独立させた。


 彼女の感想はただ1つ。
 どーいうことよ。

 ―――それだけだった。


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