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RAINBOW STORY - 34 Mystery of mysterious magic -

 どれほどの時間が経っただろうか。
 とても長かったような気もするし、ほんの一瞬だったような気もするが、俺たちはか細いリリスの声で我に返った。


「や、やった……ね」
 リリスはフラフラとしながらも精一杯の笑顔を作ると、ばたりと草原へと倒れこんだ。


「お、おい! 大丈夫か?! リリス! リリス!!」
 リリスの返事はない。
 俺は黙ってリリスを背負い、駆けた。


  :


「いらっしゃ……! その子どうしたんだ!? 早く部屋へ!!」


 数十分かかってようやく俺達は、草原の中の小さな宿屋へたどり着いた。
 そこの宿屋のご主人は事情を聞くよりも早く部屋を準備してくれ、リリスはベッドへ寝かされる。


 フラウによるとリリスは命に別状はないようだが、一度にリリスの中にあった魔力をほぼ全て放出してしまったため、疲労で倒れたのだろうということだった。
 俺たちはとりあえずリリスの看病をフラウに任せ、宿の主人へ礼を言いに行くことにする。


 フェザー君とレイさんは少し部屋で休んでおくとのことだ。


 俺たちは短く飾りの少ない廊下を通りロビーへと向かう。
 この宿屋は草原を通る冒険者や商人のために立てられたもので、小さく質素だが設備は充実していて、食料などの物資も豊富にあった。


「あ、キミ達。あの子は大丈夫だったか?」
「はい、おかげさまで。どうもありがとうございました」
 ロビーに入るとすぐご主人が心配して話しかけてきてくれた。
 俺とブラストは揃ってご主人に頭を下げる。


「いや、いいんだよ。こういうことには慣れてるから」
 ご主人は苦笑いを浮かべる。
 ここは厄介なモンスターしかいないから確かにこのようなことが何度かあってもおかしくはないだろうな。


「ところで、さっきすごいことが起こったんだ。キミ達……もしかしてそれに関わってたのか?」
「……すごいこと……?」
 ご主人が言ったことには俺は(きっとブラストも)なんとなく察しは着いていたが、ブラストはあえて聞き返した。


「……ほらさっきの地響き、そして光の雨。最後に巨大な十字架。草原にいたなら絶対気がつくはずだ」
 やはりご主人が言いたいのは、リリスが使った魔法のことのようだ。
 最後の巨大な十字架というのは俺達は見えなかったが、リリスの言葉にも十字というものがあったから十字架が見えてもおかしくはない。


「そのおかげでここらのモンスターはほぼ壊滅状態らしい。モンスター以外には何も被害はないから別に問題はないんだが、あんな強力な魔法なんて見たことも聞いたこともない。キミ達何か知ってるんじゃないか?」
 俺とブラストは黙って顔を見合わせた。
 ここは話した方がいいのだろうか?
 別に何かとんでもないことをしでかしたわけじゃないから話してもいいような気はするけど。


「そうだな……。隠したって仕方ないだろう」
 ブラストは小さくそう言ったので、俺は小さく頷き返す。


「……ハイ、俺達はその魔法について知っています。といっても知らないことがほとんどですけど。それで、察しがついているかもしれませんが、その魔法を使ったのは僕らの仲間、さっきの女の子……です」
 かいつまんでブラストがさっきの魔法について話す。
 俺もその話を聞き、あったことをまとめる。


 あの魔法の使い方の書かれた紙はフェザー君のいた宿に気づいたらあったらしい。
 それで、宿に来る客の中にその紙を見せてみたが、紙に書いてある文字を読むことができる人はいなかった。
 そして今日、フェザー君はその紙を俺たちに見せ、リリスも見た。
 それでリリスがその文字を読めることが判明し、リリスはその魔法を試してみる。
 するとさっきのような魔法が発動した……。


 あの紙は一体誰が持っていたものなんだ?
 それになぜ何人もの人が試したのにリリスだけあの文字が読めたんだ?
 しかも魔法を発動しているとき、リリスの背中に見えたあの羽のようなものは一体……?


 謎ばかりで何も分からない。
 もしかしたらリリスの母親、村長さんなら何か知っているかもしれない。

>35話へ
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