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鬼畜と心配性とサポート役 第4章 24話

 帝たちが501号室に入室したとき、すでに何人かが集まっていた。


 個室にしては広すぎる部屋。

 白で統一されたその場所の中央にはベッドがあり、そこに黒が腰掛けていた。

 こちらを向いて、安心したように笑う。
 


 数字が記された小さな布片、それを胸に縫い止めている白い服は、緊急入院した患者用のそれ。

 切断された左肩は、左腕をつけてギプスで固定されていた。
 


 部屋に来ていたのは竜海と、鞄を肩にかけた陽、白、そして早也とその妹だった。


「珍しい組み合わせで来たのね。」
「さっき会った。」
 零斗は端的に告げ、「土産」と言いながら帝が鞄を差し出す。

 それを右手で受け取った黒に、帝が聞く。
「左腕は。」
「もう動くの。やっぱり治癒能力っていいわね。」
「そうか。早く帰ってこないと仕事が山積みになるぞ。」
「それは大変。」
 肩を竦めておどけた黒に、零斗は小さく笑う。
 


 咳払いが、その穏やかな空気を静かに裂く。

 咳の主は岩陰 竜海だった。


「あー、レストランのほうは、ビラ配りで何とか体勢を立て直した。後はリーダー伊家が帰ってくれば、形勢逆転を狙える。」
「何でだ。」
 零斗の簡潔な、だが本心からの問いには、陽の鞄の中から返事が返ってきた。


「それはねー、俺の能力がちょっとばかり意識とか人格を操ったりできるからだよー。」
「うわびっくりした!」
 大袈裟に驚いた零斗、彼の目の前のバッグから、金色の毛並みの猫の頭がぬるりと出てきた。

 伊家猫だ。

 動物持ち込み禁止の令に引っかからないようにしたのだろう。


「手荷物検査は……ああ、おっさんの権限か。」
「おふこーすっ!」
 帝の呟きに、竜海が親指を突き出した。

 職権乱用と言わないのか、それは。
 気にせず、伊家は続ける。


「俺の能力は女性限定だけど、それだけでもいい戦力になるんだ。まあ、猫まみれのレストランを開くなら話は別だけど。」
「食料を使う店舗としてはタブーの発言だぞ、それ。」白が冷静に突っ込む。
「だよね。まあ、全ての権限は竜海のおっさんが持ってるから。」
「そうだ。…ふふふふふふふ。」
 竜海が急に笑い出す。

 目がギラギラとしか表現できないほど光っていた。
「ここで俺の計画が発動するぜ…。第二のでりしゃす、創設だ。」
「おい、モダン喫茶まで飲み込むつもりか。」
 呆れたような零斗の言葉は、残念ながら竜海には届いていない。



 次に咳払いをしたのは、紅謳だった。
「話がずれる。今から修正する。」

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