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RAINBOW STORY - 105 Wanted criminal -

「……あ、人だ!」


 目の前に出てきた人物の第一声はこれだった。
 その人は俺と少し年上くらいに見える女の人。


 真っ青な髪を二つくくりにして後ろに流し、目も同じく青。
 お腹を出すような短い服、足覆うのは腰に巻いた数枚の布だけという身なりで、かなりの軽装だ。
 腰巻に細身の剣をとめているところを見ると、冒険者のようだし、目つきも鋭く、ある程度経験をつんできたような雰囲気をかもし出している。

 そんな彼女は、疲れたように俺たちの前に胡坐をかいて座り込んでいた。


 その彼女の手にはさっき俺が放り投げてしまったもばっち。
 もばっちがしゃべっていないところを見ると、電源が切れてしまったか、それとはまた別のボタンを押してしまったんだろう。


「あの……もう一度聞きますが、あなたは誰ですか?」
 何やら独り言をつぶやいている女性に、あくまでも丁寧な物腰でブランが尋ねた。
「あぁ、私は……」
「その声は……レイシアさん?!」
 女の人が何か言いかけたそのとき、もばっちからどこかで聞いたような声がした。


「ん?! バロン君?」
「バロン?!」
 女の人の呟きにレイさんも含め俺たち全員が反応する。


「あ! 皆さん? そこにフレアやブランもいるんですか?!」
「フレア……ブラン?」
 女の人が不思議そうに首をかしげる。


「あの、その機械貸してもらえますか?」
 しかし、女の人にいちいち説明している場合じゃない。
 ブランが女の人からもばっちを受け取る。


「こちらブランです。バロン……ですか?」
 恐る恐るといった様子でブランがもばっちに向け話しかけると、「はい! 皆さん無事なんですね!」という、元気な返事が聞こえた。


「おぅ、みんなぴんぴんしてるぞ!」
 俺も試しにバロンに声をかけてみる。
「あ、その声はフレアですね! 元気そうで何よりです。本当に心配したんですから」
「大丈夫だって! 俺だって剣の腕はそれなりにあるんだからさ! さっきも洞窟の中を冒険してきたところだ!」
「そうですか……でも、相手は指名手配犯ですからね……」


 そうか、“しめいてはいはん”か……。


「……ぬん?」
 バロンの口から出た奇妙な単語に、俺は少し間を空けて聞き返した。
「し、指名手配犯?」
 さっきまで黙って聞いていたリリスも、さすがにそれには声を上げた。
「そうですよ? レイシアさんから聞いてませんか?」
 バロンの言葉に全員の視線が女の人に向けられる。


 いつの間にか小川に移動して水を飲んでいた彼女は、急に感じた視線からかぎこちなく振り返った。
「あの……レイシアさん?」
「はい?」
 試しに俺が名前を呼ぶと、彼女は瞬きを何度も繰り返しながら首をかしげた。


「指名手配犯……って?」
「……あぁ! そうだ!」
 さっきまでほけーっとしていた彼女の顔が急に引き締まる。


「あなたたち、“ウェルト・フール”って名前のヤツ……知らない?」


>106話へ
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