スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

RAINBOW STORY - 109 Start of ceremony -

「うわぁ、なんだろう? ここ。すごく不思議な雰囲気っていうか、空気っていうか……」
 リリスが辺りを見渡しながらつぶやいた。


 俺たちは今、森の中の道を通った先にある、広場のような場所に来ていた。
 上の方は木の枝で覆われ、ところどころ日が差し込んでいる。
 


 そんな広場の端のほうには真っ白な十字架がいつくか立ち並び、俺たちの目の前には教会のような建物があった。
「その十字架って、もしかして誰かのお墓ですか?」
 恐る恐るといったようにブランが聞くと、ジルはこくりとうなずいた。


「はい、歴代のリーダーたちがあそこに眠っています」
 途端それを聞いたリリスが肩をすくめ、十字架から目をそらした。
「ボーっとしてると、彼らにいたずらされますよ?」
 それを見てジルが不意にいたずらっぽい笑みを浮かべて言う。
「か……彼らって誰!」
 リリスが恐怖と怒りが入り混じったような顔で言ったが、ジルは意地悪そうな笑みを浮かべるだけで、何も言わなかった。
 


 俺はもう一度教会のほうに目線を走らせる。
 白い壁に青い屋根、教会の天辺には鐘がついている。
 典型的なよくある作りだ。
 俺の村にも似たようなのが建ってた。
 ただ、人間サイズより少し小さめなのが唯一違うところかな。
 


 そして、俺が教会の扉に目を走らせると、不意にそこが開いた。
 そこからねこボン4人……いや4匹がかりで、何やら豪勢な台座のようなものを押して出てくる。
 その木製の台座はさまざまな彫刻が施され、ところどころ、魔石の様なきらきら光る石が埋め込まれていた。
 その台座の上には一点の曇りもない、水晶のような球が置いてある。


 少し危なっかしく、教会の階段からそれは下ろされ、建物から少し距離を置いたところに設置された。
 これが例の儀式に使うものなんだろうな。


 ブラストの方を見ると、なにやらジルに耳打ちをされているのが見えた。
 最終的な打ち合わせか何かかな?
 しばらくすると、ブラストはいつものより5割り増しくらい眉間にしわを寄せ、ジルに向かってうなずいた。
 相当嫌みたいだな、ブラストのヤツ。
 大きくため息をついたブラストは、チラッと俺たちの方を振り返ると、台座へ向かって行った。
 


 代わりにジルがこちらに向かってきて、手で後ろに下がるよう指示する。
 俺たちは顔を見合わせると、とりあえず指示通り、ブラストから距離を開けた。
 
そうして、結構距離があいたところでジルが口を開く。


「これから儀式を始めます。私語は謹んでください。それからあなた方は座って見てください。後ろに私たち一族が集まりますので。」
 ジルはかなり改まった口調で話した。
 まぁ、相変わらず俺の方はちらりとも見ないんだけど。


 だが、ジルに文句を言うまもなく、不意になにやら後ろに何か生き物がたくさん近づいてくるような音がして、辺りがざわざわ、いや、にゃごにゃごと騒がしくなる。
 それを聞いて俺の隣に座ったりリスが後ろを振り返った。
 何か言いそうになったのか急いで口元を押さえるのが、横目でちらりと見える。
 リリスが何を見たのか気になって俺も振り返ってみると、俺もリリスとほぼ同じ行動をしてしまう。
 


 というのも、俺たちの後ろに大量のねこボンが立っていたからだ。
 ちびっ子から年取ったのからいろんなねこボンがいる。
 


 俺の後ろに立っていた女の子の(ように見える)ねこボンが、少し首をかしげにっと口の端を吊り上げた。
 さっきのは表情は威嚇じゃなく、ねこボンの笑顔なんだと認識したのは顔を前に戻した後。


 俺はぶるぶると首を振り、ふと横を見ると、いつの間にかねこボンの姿に戻ったジルが真剣なまなざしで、ブラストの方を見ている。
 ジルの横顔から視線を前に戻すと、不意にさっきまでにゃごにゃご聞こえていた後ろもしんと静まり返った。


>110話へ
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。