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RAINBOW STORY - 111 Carved proof -

 空から現れた彼女は、ブラストの前方の空中にふわりと留まった。


「あなた、名前は?」
 柔らかな微笑を湛え、女の子は呆然としているブラストに尋ねる。
「え、あ……ブラスト、ブラスト・クロウといいます」


「では、ブラスト」
 女の子はそこで小さく間を開ける。


 一体あの子は何者なんだろう?
 ジルや他のねこボンたちが黙って見ているということは、儀式に必要な人物なんだろうけど。


「あなたがねこボンのリーダーとなることを認めましょう!」
 しばらくブラストを見つめた後、女の子は杖を振り上げてそう宣言した。
 俺は思わずやった! と立ち上がりそうになったけど、周りのねこボンたちはまだ動かない。
 まだ儀式は続くようだ。
 ジルに睨まれ思わず俺は縮こまる。


 でも、もうジルは泣いてはいないようだった。
 ジルはジルでいろいろと思うことがあったんだろう。


「では、あなたの誕生石を」
 女の子はブラストに片手を差し出す。
 ブラストは少し面食らいながらも、ポケットからさっきレイシアさんから受け取った誕生石を取り出した。
 こうしてみると、バロンと出会ったことや、この島に来たこと、ウェルトってやつに会ったこと、そしてレイシアさんと会ったことが全部つながっているような気がしてくる。
 いや、実際全部つながってるんだろうな。
 なんか運命っていうのかな、そういうものを感じる。


 ブラストが誕生石を女の子に差し出した。
 女の子はその石を見つめたまま、なぜか固まった。
 何がこれから起こるのだろうと思って見つめる俺たち。
 そして3拍くらい置いた後。


「こ……これは?! あれ? 君人間?! た、大変だぁ!!」
 女の子が大声を上げた。
 ブラストは驚いて手を引っ込める。


 あれ?
 なんかいきなり女の子が子供っぽいしゃべり方になったぞ?
 どういう反応をしたらいいのか、とジルの方を見ると、神妙な顔のままジルは前の二人の様子を見ていた。
 


 一体女の子の言った大変って何のことだろう?
 当の女の子はというと心を落ち着かせるためか何かつぶやいた後、大きく深呼吸した。


 そして、もう一度手を差し出す。
 ブラストは引っ込めていた誕生石を乗せた手を、もう一度伸ばした。
 差し出された手から、女の子は今度こそ誕生石を受け取る。


「それでは」
 女の子は受け取った魔石を宙に投げる。
 女の子の頭の上まで勢いよく飛び上がった石は、ゆっくりと女の子のお腹辺りまで下降しその場にふわりと浮かんだ。


「証を刻みましょう。」
 女の子が元の口調でそう言うと、手に持っていた杖を石に向かって思い切り振り下ろした。
 そんなことをしたら石に傷が入る、悪ければ割れてしまうんじゃないか?! と心配した俺だったけど、そんな心配はする必要はなかった。
 固いもの同士がぶつかり合うような音もしなかったし、ぶつかった瞬間も見えなかった。
 ただ、石と杖の先がぶつかり合った瞬間、再び辺りが光に包まれたんだ。


 さっきから光が出るシーンは何度かあったし、それなり目が光に慣れただろうとは思っていたけど、今度の光は最初よりさらにまぶしい。
 でも、その分光が出ている時間が短かった。
 瞬時に光は女の子の前に浮かぶ、ブラストの誕生石に吸い込まれていったんだ。


 そして、石は淡く光りながらゆっくりと落ちていった。
 ブラストが駆け寄りそれを手に取る。


 その時、最後にもう一度石が青く輝いた。


>112話へ
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