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RAINBOW STORY - 37 Recovery -

「いやぁ、食った食った!」
「いくらおごってくれるからってお前食いすぎじゃないか?」
 ブラストは俺の膨れた腹を叩いた。


 それにしても親切な冒険者さんが多かったなぁ。
 というのも、食堂に向かうとクラディーモを一掃したのがリリスだという話が完全に広まっていて、冒険者さんや商人さん達が礼として、食事を好きなだけおごってくれたんだ。


 いやぁ俺が倒したわけじゃないのにこんなに食べていいんだろうか!
「ふにゃぁ……」
 フェザー君はお腹が一杯になって眠くなったのかあくびを連発している。


「それで、これからどうすんだ?」
 俺は膨れた腹をさすりながらブラストに聞いた。


「そうだな……。これからレイさんとフラウが食事に向かうとして、フェザー君を一人部屋に置いとくのも物騒だからな。二手に分かれよう。俺かお前どちらかが、フェザー君かリリスの面倒を見るんだ」


「そんじゃ、俺リリスの方がいい! 今動けねーから」
「動けないってお前リリスに何かあったらどうすんだよ! どうやって連絡とる気だ!」
「そりゃぁ、なんか起きたら腹が一杯なことなんて忘れて動けるさ! 後で絶対脇腹が痛くなると思うけどな!」


「……ほんとにお前にリリスのこと任せて大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫!」


「なら俺がフェザー君と一緒にいることにしようか。それじゃお前はフラウに食堂へ行くよう伝えてくれ。俺はレイさんに同じことを伝えておくから。それで二人が食事から帰ってきたら、お前は俺たちのところへ来いよ。レイさんはリリス達のいる部屋で過ごすからな」
「OK、そんじゃ。また後でな」


   :


「あ、フレア、遅かったね……。あ、そのお腹! 食べ過ぎじゃない? お金大丈夫?」
「いやぁ、金については大丈夫だ!」
 俺はさっき食堂であったことを説明し、ブラストから伝えるよう言われたことも忘れずに伝え終えた。


「そう、それじゃ、リリスのこと頼むよ。くれぐれも寝ちゃったりしないように! じゃ、行ってきます」
 フラウは散々注意するべきことを並べ立てた後、部屋を出て行った。
 レイさん待ってなかったらいいけどな。


 俺は小さくため息をつくと、リリスの横のベッドへと座った。
 ベッドはふかふかしてとても柔らかく、眠気を誘う。
「いかんいかん! 寝るな、俺!」
 俺はべしべしとほっぺたを叩く。


 改めて、リリスの顔を見てみたが、少し額に汗の玉ができていた。
 やはり体調はよくなさそうだ。
 目は覚ます気配も今のところない。


 時折廊下から誰かの話し声がしたり、物を運ぶ音が聞こえるがそれ以外は何の音もない。
 それにリリスの様子はさっきとなんら変わらない。
 ヒマだ、眠い、腹が一杯。


 そしてしばらく後。
 俺は気づいたらベッドに倒れこんでいた。


   :



「……ただいま……あ、やっぱり」
「……レイさん」
「……ううん、慣れてるからいいよ。……そっちこそ大丈夫?」
「……うん、それじゃ、お休み」
「……やっぱりまだ寝たままか……」


   :


「う、うう~……ん?」
「リリス?!」
「フ、フラウ……。ここは?」
「ここは平原の中にある宿よ! よかった……起きてくれて……。あ、そうだ、何か食べる?」
「ううん、いい」
「そう……。それにしてもリリスったらすごいね! あんな魔法使えるなんてさ。今この宿の中その話で持ちきりだよ? おかげでいろんな人からご飯おごってもらっちゃった。……ほらそこで寝てるフレアもお腹パンパンにしててさ」
「う~ん、あの魔法のことなんだけど、ほとんど覚えてなくてさ……。なんか体が勝手に動いたっていうか……」
「そうなの……? でもあの魔法のおかげでここらのモンスターがほとんどいなくなったから、ここを通る人たちにとってはかなりいいことをしてみたいよ。あ、でもリリスが倒れた後は大変だったぁ~。フレアがもう血相を変えてさ。リリスをいきなり背負ったと思ったら人を背負ってるのが信じられないくらいの速さで走り出しちゃって。ついていくのが大変だったよ。それにフレアったら闇雲に走るもんだから、何度か道に迷いそうになって……。ほんとブラストがいてよかった。ブラストがいないと絶対道に迷うか、フレアを見失うかしてたよ」
「……そう……なんだ。ごめんね……心配かけちゃって……」
「いいのいいの。それよりさ……体の方は大丈夫? 明日は……」
「うん大丈夫! 明日には元気になってるって」
「そう? それならよかった! じゃぁ私もリリスももう寝た方がいいね」
「うん……」
「それじゃ、おやすみ……」


 俺はほとんど眠っている中で、二人のそんな会話が聞こえた気がした。
 リリスのことで安心したからか、俺はもっと深い眠りに落ちていった。

>38話へ
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