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もうひとつの幻想 4

「ところで、お二人さん。今日は何しに行くん?場所もなんか辺鄙(へんぴ)な場所じゃし。」
「あぁ、今日は海底に用があるんだよ。」
「海底・・・?」
「そう、海底に部品拾いに。」


「あぁ、どっかで聞いたわ、それ!確か潜水艦かなんかが沈没したんじゃろ?最近僕らもそこで潜水艦を引き上げ作業やったけぇ、よう覚えとら!よし、そんならはよ連れてったげらぁ!」
 グルーモは目的の場所がはっきりしたからかぐんとスピードを上げた。
 私は振り落とされないよう、しっかり鰭につかまる。


 グルーモは簡単に言えば巨大な魚のような見た目、一番似ている海の生物で言えば鯨かな。
 まぁ、鯨よりは小さめなんだけど、背中に人が4,5人くらい乗れる。
 今は私とハーブの二人だけだから、場所は広々取れた。


 そしてジークの頭にはアンテナのようなものが付いていて、それで仲間同士連絡を取るらしい。
 街のジークはジーク同士だけじゃなく、港から発信される情報も受け取ったり、送信することができて、普段は港から行く場所の指示を受けて泳いでいる。


 それと、グルーモはシアグラードの港にやってきて一番日が浅い。
 今までどこにいたのかは知らないけど、訛りがすごかった。
 今もすごいけど、まだマシになったほう。
 始めは何言ってるのかもわからなかった。
 こんな話し方だけど、人間に換算するとまだ若い方らしい。
 


 そして彼グルーモと、彼の前にやってきたグルーミとグルームは、わがラムザが所持しているものだ。
 他のジークは街のものなのだが、はっきり言ってあまり区別はしていない。
 お互い必要な時には好きに乗り回してもらってかまわないという考え方だ。


「あった!」
 不意にハーブの声がした。


 振り返るとグルーモの上に仁王立ちしているハーブの姿が。
「ハーブ!座っときなさい!海に落ちるよ!!」
 私が言うとハーブはムッとした顔で私の方を向いた。
「まぁた、命令口調!私とひとつしか年変わんないんだからさ!同い年みたいなもんじゃん?そんな上から目線はやめてくんない?」
 ハーブにきっぱりとそう言われ私は続いて出てこようとした言葉を飲み込んだ。
 続けて言おうとした言葉も命令口調でハーブの嫌う言葉遣いだったから。


「これから例の魔法を試してみるんだから!落ちたって大丈夫!」
 ハーブはそう言うと私の顔にメモ用紙を突きつけた。
「“キューム・バブル”の力、とくとご覧あれ!」
「ちょっと待っ・・・」
「ミヌツコリエ・・・」


 私はハーブをどうにか落ち着かせようとしたものの、もう止まらなかった。
 ハーブはすでに呪文を唱え始めている。
 ここで下手に止めたら魔法が暴発したり、思っても見ない魔法が勝手に発動したりするから黙って見守るほかない。

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