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Another fantasy ? 69 ?

「・・・あれ?」
 しかし、後ろから聞こえたのは断末魔の叫びとかそういうのではなく、リクの気の抜けた声だった。
 どうしたんだろうと思って振り返ると、そこには道全体を塞ぐような巨大な泥モンがうずくまっていた。


 その泥モンは僕らを黙って見下ろしている。
「ウォンオ!ウオオォンウオー!!」
 彼(?)は何か怒ったような声を出した。


 思わず身構えるリクだったが、なぜか襲ってはこないし、捕まえようともしない。
 もしかしてこいつだけはいいやつなんだろうか。


「ウォウウォウォオオオオー!ウォウォウオオ!!」
 必死に何かをこちらに伝えようとしているが、さっぱり分からない。
「何だ、おめぇ?敵じゃねーのか?」
 困ったようにリクが言うと、泥モンはぶんぶん激しくうなずいた。
 びちゃびちゃと泥が散り、僕らが露骨に嫌な顔をすると、彼は慌ててぺこぺこと謝るように頭を下げる。
 今度は泥も飛んでこず、そんな姿を見て僕らの警戒心が解けた。


「んじゃ?何。おめー、ここで何してる?」
「ウォウウォウォウッウ、ウォウォウォワオンウウォーウォウォ?」
 最後語尾が上がったので、もしかしたら向こうも何か聞いてきたのかもしれないけど、やはり何を言ってるのかさっぱり分からない。


「だぁあぁ・・・。何言ってんのかさっぱりわかんねぇ。じゃぁ、いいや、だったらあれだ。イエスかノーかで答えろ。いいな?」
 リクが言うと今度は静かに彼はうなずいた。
「そんじゃ、もう一度聞くけど、お前は敵じゃないのな?」
「ウウォウ。」
 頷く彼、今はイエスと言ったのかな?


「それでお前だけがしゃべれるのか?」
 リクが聞くと彼は首をひねった。
「わかんねーの?」
「ウウォウ。」
 そこでは彼は頷く。
 どういうことだろう?
 彼はしゃべれるけど、他のやつらはどうか知らないってこと?
 彼だけは何か特別なんだろうか。


「そんじゃ、次の質問だ。」
 リクはどうやら考えることを諦めたご様子。
 まぁ、今は無駄に時間使うわけには行かないからね。
 もしかしたら後ろからも泥モンが近づいて来てるかも知れないし。


「お前がここのリーダーかボスなのか?」
 リクが聞くと彼はとんでもないというようにぶんぶん首を振った。
「ウォー、ウォー!!」
 びちゃびちゃと飛んでくる泥。
「わぁーった!わかったから、落ち着け!」
 ようやく落ち着いた彼はまたぺこぺこ謝った。
 なんとも落ち着きがないというか、感情の起伏が激しい泥の塊である。


「そんじゃ、ボスは他にいるのか?」
 するとまた間が空き、彼は首をひねったが
「ウウォウ。」
 と軽く頷いた。


「そんじゃ、少し質問が変わるが俺たちの仲間が一人行方不明なんだ。知らね・・・」
「ウォウ!ウオウオ!!」
 リクの言葉を途中で思い切り遮り、彼はどことなくうれしそうな声を出した。
「うん?もしかして知ってるのか?」
「ウォッウォウウォウォウオ、ウォンウンオウォウォワオウウォウンウォウ?」
 なにやら早口に喋り捲る彼。
 再び語尾が上がったところを見ると、またこちらに何か聞いてきたのかも。


「知ってんならそいつがいるとこに案内してくれよ!」
 リクがうれしそうな顔をしながら言うと、彼は困ったように首をかしげた。
「何だ?知ってるけど居場所は知らねーってのか?」
 リクが凄みのある声で言うと、彼は慌てたようにぶんぶんと首を振った。


「ウォウォンウォーウォオ、ウォイウォウォウ。」
 そして彼はゆっくりと回れ右をして、静々と道を進み始めた。
 僕は腰を上げ、3人で顔を見合わせる。


「あいつ進んでいくけどどういうことだ?話はついたのか?」
「さぁ?」
 僕らにそんなこと聞かれても知りようが無い。
 一体彼は何を伝えたかったのだろう?


「ウォウ!ウォウウォッウォンウォ!ウォウォウ!」
 僕らがもじもじしていると彼が不意に振り返って、何か言った。


「もしかして付いて来いってことじゃないの?」
「う?ん、そうかもな。」
 シーが言うことには確かに頷ける。
 もしかしたら彼はブレイズを見たところまで案内してくれるのかもしれない。


「どうせこの先に進むつもりだったんだから、着いていっちゃえばいんじゃない?」
「そだな、行ってみっか。」
 というわけで、僕らはぞろぞろと目の前を行く泥モンの背中について行ってみることとなった。

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