スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

もうひとつの幻想 6

 どうにかなるさ、という軽い気持ちで私たちは目的の場所へとやってきた。


 波は穏やかで、モンスターの気配もない。
 すぐ近くに島があり、その島の壁に例の海底洞窟が開けているらしいが、今回の目的は部品拾い。
 冒険者としては洞窟と聞いたら覗きに行ってみたくなるところだが、今回はぐっと我慢だ。


「そんじゃ、グルーモ、荷物よろしく!」
「りょ?かい?」
 ハーブが言うと少し眠たげな顔をしてグルーモは返事をした。
 どうやらさっきまでとばして来たせいで、疲れてしまったようだ。
 しばらく彼には休んでいてもらおう。
 こんな海の上では荷物を狙うものなんて現れないだろうし。


「そんじゃ、行こうか、ルビー!」
 ハーブがどことなくうれしそうに言うと水へと飛び込んだ。
 私も海へ飛び込む。


 キューム・バブルは補助の魔法に分類されるようで、私には使えない。
 なので、ハーブにかけてもらったのだが、意外といい効果を発揮している。
 私の体全体をすっぽりと包む空気の層は飛び込んだ衝撃や、水の流れに負けることなく、私の周りにあった。
 これなら持続時間についての問題はあるものの、多少の衝撃を受けても大丈夫そうだ。


 とりあえず、私とハーブは水へと潜ってみる。
 空気の層に包まれているにもかかわらず体はすいすいと進み、泳ぐ感じは普段とほぼ変わりなかった。


「ルビー、聞こえる?」
 少し潜ったところで横を泳いでいたハーブが話しかけてきた。
「うん、聞こえる」
「良かった! この魔法使ってたら水中でも普通に会話できるみたいだねぇ!」
 少し誇らしげにハーブは笑った。


 そういえば彼女はたまにオリジナルの魔法を作ろうと奮闘するのだが、大抵は失敗している。
 それが今回はかなりうまくいってご満悦のようだ。



「そんじゃ、さ。手分けして探そうよ。ここらへんはモンスターの姿が見えないけど、いつ出てくるかわかんないし、まぁ、魔法のこともあるし…早めに、終わらせよう?」
 私は軽くうなずくと、ハーブとは別方向の海底へと潜った。


 赤く塗装された部品を5つ探せばいいんだよね?
 私は町でハーブが言っていたことを思い返しながら、海に潜っていく。


 赤い部品なら目立つだろうからすぐに見つかるかな…。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

yamattulann

Author:yamattulann
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。