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もうひとつの幻想 7

 1時間ほど経過した。
 
最初は海の中の生き物たちを見ながら楽しく泳ぎまわっていた私だったけど、いい加減疲れる。
 


 今私が2つ、ハーブも2つの部品を見つけていた。
 今は私ひとりだけがグルーモの元へと戻ってきている。
 
これでハーブが手ぶらで帰ってきたら、また私は海に潜らないといけないのかと思うとため息が出た。
 


 そうそう。
 心配された魔法の効果なんだけど、海から上がると海から上がった部分の空気の層がはがれるようになっているらしい。
 なので、1回海から上がるともう一度魔法をかけてもらわないといけなかったんだ。
 海に潜っている間は空気の層の酸素が続く限り潜っていられるみたいで、呼吸に関しての心配はほぼなかったのは、安心できてよかった。


「もう昼じゃな?。ルビーはお昼持ってきとん?」
 ぼんやりと海を見つめていると、あくび交じりにグルーモが聞いてきた。
「ううん。ハーブからは最初何も聞かされてなかったから、何も持ってきてない。そう言われるとちょっとお腹すいてきたかもしれない」
 昼時だということに気づいた瞬間お腹が急に主張を始めた。
 海の中で泳ぎ回りしっかり運動したせいもあって、お腹がすいている様子。
 早くハーブが帰ってこないだろうか。
 


 私がもう一度深くため息をついたときだった。
 後方からばしゃりと、何かが海から出てくるような水音。


「ハーブ?」
 ハーブが帰ってきたのかと後ろを振り返ると、海から見知らぬ女の子の頭が突き出ているのが見えた。


「え?!」
 私は思わず息を呑む。
 彼女の顔の横部分、丁度耳がある辺りに鰭が生えていたからだ。


「人魚!?」
 私は目の前にいる彼女を繁々と眺めた。
 顔に生えた鰭が生え、海の中に日の光を受けてきらきらと輝くのは魚の鱗。

 彼女は足がまるで魚のようだ。

 これは御伽噺で見た人魚に違いないと私は思った。 



 しかし信じられない。
 人魚は御伽噺の中の生き物で、本当にいるなんて誰が思っただろう?
 私が驚いたまま固まっていると彼女は困ったような表情で、綺麗な紫色をした髪を掻き上げた。


「ほえぇ!こりゃぁ僕も始めてみたぁ!人魚ってほんまにおるんじゃなぁ!!」
 ゆっくりと人魚のいる方へ向きを変えたジークも驚きの声を上げる。
 


 そんなジークを見て彼女は少し微笑んだ。
 普通ジークの顔を間近で見たらびっくりするものなんだけど、彼女は海の中の動物には慣れっこなんだろう。
 


 そして、どうしたものかと私が思案していると、人魚らしき彼女の横に泡が立ち、何かが浮かび上がってきた。
 その黄緑の頭は・・・
「ハーブ!」
 私が呼ぶと、海から顔を出した彼女は笑顔で手を振った。
 


 ハーブが横にいる人魚を見ても特に驚かないところを見ると、ハーブは彼女についてもう知っているようだ。
「ねぇ、ハーブ、その子誰?」
「人魚だよ!」
 私が聞くと見れば分かる返答が帰ってきた。


 ハーブに説明を求めた私が馬鹿でした!
「どうしたの?その子?」
 私は質問を変えることにした。

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