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もうひとつの幻想 11

 長い人魚の話、といっても実際はそう長くはないのだろうけれど、単語が大量に並んだメモ用紙数枚を見て私たちは少し思案顔になる。
 


 人魚の言うことをどうにかまとめると、私たちが部品を広い集めている例の潜水艦が発見した海底洞窟に何やら不穏な空気が立ちこめているらしいのだ。
 人魚たちは外界と距離を置き、海の端でひっそりと暮らしているらしく、よっぽどのことがない限り人前にはでてこない。
 


 しかし海底洞窟の中からする異様な空気はただならぬものがあったため、彼女は人たちが訪れることのあるこの辺りを泳いで何か話のできる人を、探していたそうだ。
 そこへ潜水艦がやってきて、どうやったら話ができるのかわからず、とりあえず近づいてみたそうだが、人魚の姿を見るなり潜水艦はおかしな動きをして、岩壁につっこんでしまったという。
 まぁ、確かにいきなり目の前におとぎ話の中にしかでてこないはずの人魚が現れれば驚くのは当然の反応だ。
 


 そしてその潜水艦の引き上げ作業をやったというグルーモの話によれば、その潜水艦は中に人が入り乗り物として利用もできるが、遠隔操作もできるということでその沈没してしまったときは不幸中の幸いと言うべきか遠隔操作での潜水だったそうである。
 


 そこで驚いてしまった人魚は数日間この辺りに出てくることができなかったが、また改めてこの辺りを泳いでいたところ、ハーブと遭遇したようだ。
 そこで今へつながる。
 


 そして不穏な空気というのは一週間ほど前からし始めたもので、前からあったものではないと言う。
 最近洞窟に何者かが侵入し何かおいていったのではないかということだ。
 本来なら人魚たち自身が捜査すべきなのだが、洞窟は途中から水場がなくなっているせいで、魚の体では先に進むことができないとのこと。
 


 しかし一つおかしなことがある。
 その洞窟は最近発見されたばかりで、その発見者というのが例の潜水艦の主だ。
 今その洞窟は発見者である潜水艦の主が最初に洞窟に入り探検する権利を持っている。
 


 新たなダンジョンを発見し、発見したことを申請すれば発見者が最初の探検にいくことのできる権利を得られ、その権利を放棄したり、権利者がいなくならない限り権利者以外新ダンジョンの立ち入りを禁止するという法がある。
 それを破れば厳しく罰せられ、そのダンジョンで得た物は全てダンジョンの権利を持っている者に渡さなければならない。
 


 何かといざこざの起きやすいこの法だけど、効果は大きく、潜水艦の主もきちんと新ダンジョン発見申請を出している。
 この申請を出せば、その新ダンジョンの入り口辺りに、センサー魔法なんかがかけられるんだ。
 だから誰かが中に入ったのであれば連絡がくるはず。


「一週間くらい前から不穏な空気がしてるって言ったけど、それって正確な日付ってわからない?」


 申請を出す前のことだったのならなぜその侵入者は申請を出さなかったのだろう。
 冒険をした後でも申請を出せば、政府から新ダンジョン発見の賞金をもらうことができる。
 なので通常であれば新しいダンジョンを発見したとなると目の色変えて申請するのが常。

 


 不穏な空気が発生したのがダンジョン発見後でも前でもどこかおかしい話ではあったが、はっきりとしたことを私は知りたかった。

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