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もうひとつの幻想 17

 あわてて早口に洞窟に立ち入る条件を聞くハーブとは裏腹に、ユナさんは至って冷静な表情浮かべ、余裕のある口調で言った。


「あなたたちに二つ、飲んでほしい条件がある。」
「・・・二つ?」
 二つもあるのかと私は心の中で少々げんなりした。
 彼女は提示する条件はどれも難しそうだ。
 こなすには時間がかかるのではないだろうか。


「時間がないんです!・・・できればあまり時間がかからないものを・・・」
 ハーブが少し上目遣いに言った。
 といっても私達はわがままを言える身ではない。


「そうね、わかってるわ。あなたたちは嘘を言っているようには見えないし、二つの条件のうち一つはことをすませてからでも構わないわ。」
「本当ですか!」
 ユナさんの言葉に私達は目を輝かせた。


「えぇ。あなた達はミクルのいい友人だもの。」
「え…?し、知ってたんですか?!私達のこと!!」
 知っててあんな冷たいことを言ったのかこの人は。


「あなた達何度かここに来てるじゃない?直接話すことはなかったけど。それにあなた達の話は何度もミクルから聞いたわ。元気で素直な女の子達だってね。」
 そうか、ミクルは私達にユナさんの話をしたようにユナさんにも私達の話をしていたんだ。


 ふとユナさんを見ると最初合ったときと比べるとかなり柔らかい表情をしていた。
「特にルビーさん。あなたの精霊にはとても興味があるわ。一つ目の条件はあなたの精霊の研究をさせてほしいの。もちろん事を終えた後でこれは構わないわ。時間がかかりそうだもの」
「ユナさん・・・!」
 感激だ。
 世界的権威と言われるユナさんの元で精霊の研究ができるなんて!


「あ、それでそれで、!もう一つの条件というのは?」
 一人ニヤついている私に訝しげな視線を送った後、ハーブはユナさんを見た。


「そうね、もう一つの条件っていうのは、モンスター退治にしようかしら。」
 少し首を傾げながら彼女は言った。
 しようかしら、って最初条件を二つって言ったから、もう一つは何か適当なものを選んだ、みたいな言い方だ。
 今の彼女の物の言い方には何かひっかかるが、まぁ、気にしないでおくことにしよう。
 ここで下手につっこみを入れて条件を増やされてはたまらない。


「モンスター退治・・・」
 それにしても店の依頼にもありがちな仕事だ。
 しかし普段外へ出かけない彼女がモンスター退治とは、いったいどのような考えがあるのだろう?
 彼女はモンスター退治を依頼するよりも捕獲の方を依頼してきそうなものなのに。


「モンスターの出現地は海岸。」
 彼女はそう言うとイスから立ち、後ろにあった小さな戸棚の上に手を伸ばした。
 彼女が手に取ったのはどうやら地図のようである。


「この丸印がついているあたりに出没するのよ。」
 机の上に広げられたのは地図にはシアグラード全体が描き表されていた。
 そしてこの建物からほど近い海岸に赤い丸印。


「そのモンスターというのは?」
 地図を見つめたまま私はユナさんに聞いた。


「それはスカッシーと言う名前よ。」

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