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もうひとつの幻想 21

「それでさ。フロートが一緒に行ってくれるのは心強いんだけど、攻撃できるのがフロートだけじゃ心許ないよね。一応私も着替えればファイアーボールくらいは使えるけど」
 ハーブが珍しく的を射たことを行った。


 確かにそうだ。
 私だってできるだけ援護するつもりではいるが、効果は薄いだろう。
 ハーブの魔法だってはっきり言ってたかが知れている。
 光に弱いとは言ったって光球も海岸全体を覆うほど大きなものはなかなか作れない。


 私が思案顔でいろいろと考えていると、ちらりとフロートの目がこちらを向いた。
「んで、どんな面白い事があるんだ?さっきから難しい顔してるけどさ、力沢山使う事なのか?」
「あぁ、そうだね。フロートだけじゃ敵の数が多すぎて厳しいかも。」
 ハーブが言うとフロートはむっとした顔を浮かべふんと鼻を鳴らした。


 彼女は自分の実力にかなりの自信を持っている。
 彼女が負けを認めたのはウィルスの仲間のうち数人だけ。
 ウィルスの仲間たちはラムザの精鋭中の精鋭を集めたチームで、フロートはあと一歩でそのメンバーにあぶれてしまったのだ。
 彼女はその事でたまにふっと暗い顔をする事がある。
 彼女が何か悩んだり考えるとしたら、負けを認めた事についてだけ。
 それを思い出した時だけ彼女は笑みを消す。
 フロートに勝った相手はどんなに敵がたくさんいようとも片付けられるほど強かったのに、私はそこまでの実力が無いというのか?とでも言いたげな目つきを彼女はした。


 が、その目つきも一瞬かいま見ただけ。
 もしかするとさっきの目つきは気のせいのような気さえした。


「今回の相手はさ、スカッシーってモンスター。海岸に大量発生してるらしい」
 私はユナさんからもらった地図を取り出して広げた。
「この丸印の所がそのモンスターの発生地か?広いな」
 フロートは少し虚を突かれたような顔を浮かべる。


 そして普段と少し雰囲気の違う笑みを一瞬だけ見せた。
 私が首を傾げると、彼女は普段の笑顔で私を見た。
「んで、スカッシーとかいう変な奴はいったいどんな?」
 フロートにも色々と思う事があるのだろう、表情ついては詮索をしない事にして、私はスカッシーについてユナさんから聞いた事を一通り話した。


「ふぅん。熱と光に弱いのか。そんなら火でぶわぁーってやればいいんだろ?」
「う?、まぁ、そうだ」
 ぶわぁー、とは一体どんな状態をいうのかよく分からないけれど、火で海岸全体を軽く焼き払うような事ができれば、話が早いだろう。


「でもそんなのできる人この中にいないじゃないのさ」
 ハーブは私達全員の顔を見渡した後渋面を作った。
 確かに私もハーブも炎は使えない。
 フロートだって脳味噌筋肉、魔法は使えない。


 といってもフロートは炎を使えない訳じゃないんだ。
 彼女はとある宝石のおかげでいくらか魔法のような技が使える。
 彼女の扱う剣にその宝石が埋め込まれており、やる気ファイヤーとかいう技が使えるのだ。
 その技というのは、武器に炎を宿したり、炎を剣先からとばすといったようなもの。
 他にも色々と応用技があるらしいが私が知っているのはその二つくらいだ。


 ちなみに彼女によればやる気を消費して炎を出すとか言っているが、実際はきちんと魔力を消費しているのだろう。
 お馬鹿なのでその辺もいまいちよく分かっていないようである。


「あたしのやる気だけじゃさすがにこんな広い範囲を焼くのは無理だね?」
 私は既に突っ込みを入れる気力は失せた。
 魔力の存在をほとんど知らず、何でもやる気の力だと思いたければ思うが良い、この阿呆め。

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