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もうひとつの幻想 22

 3人思案顔になったところで、二人分の昼食をボードに乗せて、フローラが帰ってきた。 
 
そしてそっと私たちの前にお茶と炒めご飯が置かれる。
 もちろん私達はフロートとは違いご飯は並盛りだ。
 


 若干ハーブが不服そうな顔をしたが、おまえはあまり動かないのだからそれくらいで十分だ。
 いつぞやにハーブはフロートと同じ量食べ、激太りしたことがある。
 いやぁ、そのときは本当に恐ろしかった。
 太ったハーブは私の命と財布の天敵だった。
 もぅ、あの恐怖は味わいたくない。


「それで、姉さんは何の手伝いを?」
 フローラは黙々と食べるフロートへと聞いた。
 説明はフロートに任せ、私とハーブは飯を口へと運ぶ。
 フロートは食事を邪魔されるような形になったので、少しむっとした表情を作ったが、妹には弱い。
 彼女はすぐ柔らかい表情を作り、口いっぱいのご飯を飲み込んでから、話始めた。


「なんか、海岸にでてくるモンスターを退治するんだと。ほら、これがそいつらがでてくる場所」
 フロートは食事の邪魔にならないところに広げたままにおいていた地図を指さした。
 フローラが早速それを手に取る。


「何でもスカッシーとかいうモンスターで、熱と光に弱いんだってさ」
「スカッシー?聞いたこと無いです」
 フローラは地図から少し顔を上げ首をひねった。


「なんか冷たい海にすんでんだって」
 ハーブがそこで口にご飯を頬張ったまま口を開く。
「ハーブ、口にもの入れて話さない!」
 私はすかさず注意する。
 全くマナーがなっていない。


 フロートは今までさんざん厳しく言ってきたので、ちゃんと分かっている。
「フロート、人の失敗を笑わない!」
 しかし、人が怒られたところを見てそれを笑うようではまだまだ修行が足りない。
 私の両サイドの二人はそろって不満げな目で私を見た後、同じタイミングで皿へと視線を戻した。
 そんな私達を見てフローラはくすりと笑う。


 なぜ双子なのにフローラとフロートはここまで性格が違うのだろう。
 やはり普段の成生活環境の違いからだろうか。
 フロートは昔から体が丈夫で運動もだいたい何でもらしい。 
 しかしやはりそういう人にありがちな症状、脳味噌筋肉病が発症。
 ここまでの頭の悪さはもう病気としかいえない。
 今まで彼女はかんで急場をしのいできたのだろう。


 そしてフローラはフロートとすがすがしいほど真逆だった。
 生まれつきからだが弱く、いつも室内で過ごしていたそうだ。
 室内にいる間は本を読んだり勉強をして過ごしていたらしい。
 なので、姉と比べてかなり賢く、マナーもきちんと守り、とても礼儀正しい。


 ただ細々したところは似てたりするんだ、この二人。
 好きな色とか、装飾品の類の趣味とか。
 二人でアクセサリーの話をしているときは、さすが双子だと感じる。


 ただ、フローラを見習ってフロートももう少しきれいにすればいいのに。
 フローラの髪はしっかりと手入れされ、きちんとくくっている。
 その点フロートは手入れもせず髪を伸ばしたい放題伸ばしてほったらかしていた。
 これではきれいな金髪が台無し。
 まぁ、冒険者だから、あまり身なりにばかり気を取られていてはいけない。
 これはこれでいいのだ、きっと。
 ご飯を食べながらそんなことを考えているときだった。


「あれ?」
 不意に後ろから声が。


「ん?」
 各自振り返ると、そこには少し眠たげな顔をした少女が立っていた。

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