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RAINBOW STORY - 48 Entrance ceremony and happeni

「これから入学式兼説明会を始めます。」
 そんなアナウンスが建物の中に響き渡った。
 続いて起立、礼、着席という号令。


 なんか村の学校へ入学した時のことを思い出す。
 それにしてもこの席はまるで保護者みたいなところだなぁ。
 俺はそんなことを考えながら前の方を見やる。
 そこにはきちんと座るレイさんの後姿と、始まって間もないというのに退屈そうにもぞもぞと動くフェザーの後姿。


「ちょっとフレア、もそもそしない!」
 俺が首を伸ばしていると、隣に座っているリリスに怒られた。
 まったく少しくらい動いたっていいじゃんか、前の二人が気になるんだから。


「え~、ご入学おめでとうございます、皆さん」
 いきなり前方から声がし、ステージの方を見るといつの間にやって来ていたのかステージ上に教師と思わしき女の人がマイクを片手に立っていた。
 きっちりとした白いシャツに黒いジャケット。
 田舎とは大違いだな。
 俺たちの村じゃ一部の先生達は入学式でも作業着とか着てたぜ。


「わが学校ではあいさつなどはしません。時間の無駄です。入学式では簡単に教師の紹介をするだけにします。その後は、学校についての説明に移りますので、そのつもりで」と言うと彼女はいいですね、とでも言いたげに並んで座っている新入生の顔を一人ずつ眺めていった。


「では、紹介に移ります」
 一拍置いた後に彼女はそう言い、それを合図に壇上に何人かの教師と思しき人たちが上がってくる。


 俺はなんだからしくない入学式だと思いながら、ステージから目線を外した。
 そして何気なく横を見ると、さっきまで座っていたアイルの姿がない。


「あれ? アイルはどこ行ったんだ?」
「お腹痛いんだって。大したことないって言ってたからすぐ戻ってくると思うけどさ」
 リリスは前を向いたままそう答えた。


「ふ~ん」
 まぁ腹痛ってのは不意に予想もしてないときに襲ってきたりするからな。
 といっても俺は腹痛に襲われたことなんかないけど。
 そんなことをぼんやりと考えていたときだった。


「に、逃げろおおぉぉぉ!!」
 この建物の外からいきなりそんな大声が聞こえた。
 さっきの声に続いて沢山の人の悲鳴や怒号があがっているのが聞こえる。


「何?!」
「どうした?」
 周りの生徒や教師達も突然の事態に状況が飲み込めず慌てふためいている。


 すると次の瞬間轟音が周りを飲み込んだ。
 建物内に砂煙が充満する。
 俺は咳き込みながら何とか目を開くと、破壊された壁の前に、異様な大きさと形をした影が立ちはだかっているのが見えた。
 砂煙でよく見えないが、それの大きさは俺の2倍ほど。
 体は何かが飛び出たり穴が開いていたりとガラクタを寄せ集めたような妙な影を映し出している。


「風よ!」
 そんな中よく通る女の人の声が響き、建物内に強い風が吹く。
 先程まで壇上で話していた教師が今の魔法を使ったようだった。
 さっきはしまっていたのか見えなかったが、今は緑色をした魔石のついたブローチをつけている。
 きっとあの魔石の力を使って今の魔法を発動させたのだろう。


 ようやく砂煙が払われ、周りがよく見えるようになった。
 まだ咳き込んでいる人が多い。
 俺は周りの人も心配だったが、それよりも先にさっきの影の確認をしようと、影のあった方向に目を向けた。


 そして、そこには見るも無残に破壊された建物の壁と、なんとも形容しがたい“モノのカタマリ”が立っていた。

>49話へ
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