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もうひとつの幻想 27

「くさっ!!」
 フロートが思い切り顔をしかめる。
 海岸の近くには海岸全体を見下ろすのにちょうどいい高さの、丘があった。
 そこから海岸を見下ろすと、海岸は黒っぽいもやのように覆われ、淀んだ空気が立ちこめている。


「こりゃぁ、予想以上だな」
 なにやら怪しげな板を背負ったリクが呟く。
「あんた、それ何?」
 クイットがリクに訝しげな視線を送る。


 リクは何やら角の丸い板を背中に背負っていた。
 板の両端は少し反っており、板の真ん中あたりに二つベルトのようなものがついている。
 板の裏側にも何やらごちゃごちゃと機械のようなものがひっついており、とても怪しげだ。
 いったい何に使うものなんだろうか。


「これはな、秘密道具だ!」
 むんと胸を張るリク。
 その返答は答えになっていない。


「あ?、まぁ、もう少ししたらわかる」
 私たちの冷たい視線にリクはゴホンと咳払いした。
 彼は隠し事が好きみたいだ。
 まぁ、期待していようじゃないか。


「それじゃ、さっき決めた作戦通りに」
 そういうハーブは全身黒づくめ。
 普段は黄緑や水色を基調とした服を着ているのだが、今回はスカッシー掃除の為、着替えてもらったのだ。


「ちゃんと魔導書持ってきたでしょうね」
 それがないと話にならない。
「もちろん!当たり前でしょうが!」
 その魔導書というのは魔法の教科書のようなものだ。


 私たちが数年前、この街の冒険者育成学校に通っていたとき使っていたもの。
 私は精霊魔法という特殊な魔法を扱う上、剣での戦い方も学んでいたため、攻撃魔法については全く勉強してこなかったし、攻撃魔法を扱うための服も持っていない。
 しかし、ハーブはいろいろな魔法を試していたこともあり、簡単なものなら大抵の魔法を扱うことができる。



「ちゃんと風の魔法載ってる?」
 私が言うと、ハーブはぐっと親指をつきだした。
「もちろん!少し古いけど、ちゃんと載ってる!」 


 私たちは数年前に学校に通っていたので、その魔導書は若干古いものだった。
 といっても、今回の作戦で使うのはあまり上級の魔法でもないし、基本的な魔法なので、ページが破けていない限り目的の魔法は載っているはずだ。


「それじゃ、ハーブ一発どーぞ!」
 フロートが音頭をとる。


「あ、ちょっと待ってください!」
 そこへフローラが口を挟んだ。
「ん?どした?」
 不思議そうにフロートが目を瞬く。


「あの、作戦を開始する前に、姉さんに渡しておきたいものがあるんです」
 と言うと彼女はフロートに向けて方手を差し出した。

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