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もうひとつの幻想 37 

「まぁ、私を抱えあげた力量は対したもんだ」
 フロートは腰に手を当て、気絶してしまったリクを見下ろす。
 フロートの服装をよくよくみれば足にプレート、胸にもプレート、かなり重量のありそうな格好。
 確かにこれを少しでも持ち上げていたというのは、誉めるべき所かもしれない。
 それに剣も重そうだ―――と考えたところで私は現実を思いだした。


 海岸をみると相変わらず光がぐるぐるとその場を回転している。
「あぁ、忘れてた」
 フロートが他人事のような調子で言った。


「このまま放っていおいたらいつまでもあのままだろうしな。どうにかすればあの光を退けるか消すかできるだろう」
 と言ってみるものの、どうにかするとはどうすることを言うのだ。


 一から思い出してみると、今使った魔法は本来ダジル・フレイムという魔法。
 これはただの炎で、放っておくか、術者が消えろと言う指示を出せば消えるものだ。
 そして今回呪文に見た目を変える呪文を追加した。
 その効果は炎が蝶になったり兎になったり、はたまたジークになった事から分かる。
 しかし追加呪文の効果はそこまでのはず。
 このように巨大化し、さらにいつまでも海岸に留まるとは一体どういう事か。
 


 これはつまり・・・
「双子の魔女の力か」
 私が呟くと全員、地面に倒れ気絶していたはずのリクすらいつ目を覚ましたのか寝ころんだまま、私を見た。 
 私が何か打開策でも言いやしないかと期待しているような目つきだ。
 残念なことに私はただつぶやいてみただけで何か考えがあるわけではない。
 だがしかし、つぶやいてしまったいじょうなにか有意義な発言をする必要があるような気がした。
 このまま黙り込んでしまってはハーブやフロートから失望の目で見られかねない。
 この中で一番頭がいいのは私かフローラだ。


 フローラは背後に6つの剣を従えたまま、海岸の光へ視線を戻し、なにやら考え込む様な表情をしていた。
 私が何か動く必要がありそうである。 
 状況を打開するヒントは私が今つぶやいた、双子の魔女、エリマラとウルエラのイヤリング。
 今ここに現れたイヤリングの効果が、あの光の渦。


「そうか、剣だな」
 私がそういうと同時に、海岸の光の渦の中に緑色に縁取られた穴のようなものが6つ空いた。
「フローラ!」
 呼びかけるとフローラも私と同じ考えに至ったらしい、こちらを振り向きうなずいた。


「どゆこと?」
 フロートがよく分からん、といった顔で私に尋ねる。
「この状況を見れば分かるだろう。双子の魔法には双子の魔法を、だ」


 フロートがピアスの効果であのひかりの炎を集めたのだ。
 ならフローラの背後に浮かんでいる剣はフローラのピアスが生み出したもの。
 両方をぶつけ合えば相殺されるのではないか、という考えだ。
 ただ、光の方に、剣を入れてください、とでもいうような穴が空いたのは予想外だったが。
 相殺されるどころかよほど大変なことが起こりそうなきもしたが、何度もいうが私たちにはあまり時間がないのだ。
 


 だが試してみた方がよっぽどなにかいい進展がありそうというもの。
 フローラは穴を空け、渦巻く光を見据える。
 


 そしておもむろに右手をつきだした。

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