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もうひとつの幻想 38

 すると、フローラの背後、6つの剣が扇形に浮かんでいたのが中を滑るように進み、フローラの背後から出た。
 扇形が大きくなったような感じだ。


 私はフローラのじゃまにならないよう距離をあける。
 ほかの面々もそうした。
 もちろん海岸の情景がしっかり見える場所に、だが。


 そしてフローラが渦を指さすと、剣が空を切る音を立て、光へと向けられる。
 寸分違わず全ての剣が同じタイミングで、フローラの指さす方を向き、静止。


 方向転換するときの剣の素早い動きは尋常でない。
 もしあの剣に当たりでもしたら当たった部分がすっぱり切れてしまうだろう。
 距離をあけておいてよかった。


 そしてフローラは腕を折り曲げ、人差し指を伸ばしたままの手をいったん胸の方へ引き戻した後、もう一度さっと光の渦の方を指さした。
 それを合図に目も眩むスピードで剣が光の渦へとむかってつっこんでいく。
 緑の残光を残しながら飛び行く剣は、光の渦に空いた穴に吸い込まれるように入っていった。


 フローラがゆっくりと手をおろす。
 私たちはことの成り行きを固唾をのんで見守った。
 すると突然ゆったりとしていた光の渦の回転が止まり、また不意に渦を巻き始めた。
 最初はこちらを向いた渦、と言うと少し妙だが、渦の目が私たちを見ているような形だったのだ。
 それが今や猛スピードで回転を始め、竜巻のようになったそれは、どんどん空へと伸びていく。
 ただそれは光の塊なので、風は全く起こらない。
 風のない竜巻とは何とも不思議なものだ。


 だが、しばらくすると風の変わりに光が舞い始めた。
 あちらこちらに光が残像を残して飛んでいき、まるでそこが全くしらない土地と見紛う様な情景が展開される。 
 とても幻想的な光景だった。


 海岸ではしぶといスカッシーがまだ駆け回っているが、スカッシーが全部気絶するのは時間の問題だ。
 そして見入っていた私たちの目をいきなり真っ白な光が灼いた。
 瞬時に目を多い隠す私。
 手で覆っているにも関わらず瞼が真っ白に見える。
 相当な光が渦から発せられたに違いない。


 しかしほんの数秒ほどでその光は消えた。
 瞼が暗くなっていく。
 これで、光は相殺され万事解決か、とおそるおそる目を開けた私は息を飲んだ。


 どこか頭の片隅で、何度息をのませれば気が済むのやら、と思う私もいたが、そんな私も否応なく息をのむような光景が目の前にあった。

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