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もうひとつの幻想 39

 そこには、竜がいた。
 俗に言うドラゴンという奴だ。


 ただ全身が光かがやく炎でてきているということは、この竜は実体がない、つまり本物の竜ではないのだが、それでもその圧倒的な迫力に、私たちは圧された。
 その巨体は海岸全体を覆うほど、スカッシーは皆さっきの光のとこの竜の姿にのまれ、おねんねしてくれていることだろう。


「なんてこった」
 みんなが各自息をのみ、飛び起きたリクが両頬を押さえた。
 これが魔女の力というものなのだろうか。


 私はドラゴンというものを小説や図鑑で姿を見たことはある。
 そこには身の丈何十メートルだとかかかれていたが全く実感がなかった。
 そして目の前にいるそいつは身の丈何十メートルという規模ではない、百メートル近くあるではないか。


 そして竜は吠えるようにぱっくり口をあげ、天を見据えた後、羽を広げた。
 光の塊なので残念ながら雄叫びを聞くことはできなかったが、その迫力たるや、声が聞こえなくとも、相当凄い。
 これで実際に竜が声を出して叫んだりしてみれば、私たちはその一声で吹き飛ばされてしまうほどちっぽけだった。
 


 そして羽を広げた姿はこれもまたなんとも雄々しく、世の中でもっとも強い生き物の一つと言われるだけあった。
 どことなく神々しいそれは、私たちに姿を見せつけるかのようにゆったりと羽ばたき、その巨体をふわりと浮かべる。
 本当に私たちに姿を見せつけているように見えてならなかった。
 


 今までフローラが魔法で呼び出したものはどれもまぶしかったのに、それはふつうに見ていることができる。
 これも気まぐれで、少しお茶目だと聞く双子の魔女の遊び心だろうか。
 


 何にしてもそのドラゴンは、惚けたように口を開けたままでいる私たちを後目に、身を翻して大空へと昇っていった。
 そして、街を一周するかのように空を飛び、建物の上をすれすれに飛んだ後、遙か空の彼方へと飛び去っていく。
 今やきっと街中は大混乱だろう。
 竜が上空を横切っていったのだから。

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