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もうひとつの幻想 40

 竜が姿を消した後には気絶したスカッシーたちが残り、今彼らを海に帰したところだった。
「さぁ、ハーブ。急いで、ユナさんへ報告に・・・」
 と言いかけたところで背後に人の気配がした。


 振り返るとそこには小さな女の子がいる。
 彼女はなにやら香しい香りのする紙袋を抱え、なにやら不安げな表情で私たちを見上げた。
 5才くらいだろうか、どこかで見たような顔をしている。
 オレンジに見える明るい髪の毛は最近どこかで見たような気がするのだ。


「おやぁ、君、お名前はぁ?」
 子供に目がないハーブがにこにこ顔で、女の子へ駆け寄る。
 そのハーブの笑顔はこちらがいくら緊張していようとも笑い出さずに入られないくらいふやけていた。
 私はあわててハーブの顔からを目をそらす。
 


 女の子の前へとたどり着いたハーブはその子の手を握った。
 今はハーブの後ろ頭しか見えないので、安心して女の子の方を見ることができる。
 ハーブの顔を見た女の子はさっきまでなにやら緊張した面もちだったのだが、急にぷっと、吹き出した。
 やはり初対面でもハーブの顔のおもしろさは分かるようである。


「私はね!”はうりな”っていうの!はうりな・さうえすと!」
 女の子はえへんと胸を張る。
 サウウェストのウェがうまく発音できていないな、とくすりと笑ってしまったところで思い出した。
 彼女はユナさんの娘だ!


「え?ハウリナちゃん!」
「お姉さん私のことしってるの?」
 ハウリナちゃんはなにやら不審そうな表情を浮かべる。


「えっとね、お姉さんは、ハーブっていう名前で、あなたのお母さんと知り合いなの」
 ハーブがそう言ったところでハウリナちゃんは再び警戒を解いた。
「そうなんだ!お母さんの知り合いなんだね!」
 笑顔でうなずく彼女は何とも愛らしい。
 髪型はユナさんとそっくり。
 顔つきは少しミクルに似てるかも?
 と、ほほえましく眺めていたところ、急に肩をたたかれた。
 振り返ると、リクの顔。


「何だ?」
「姉さん急いでるんじゃないんですかぃ?そこで立ち話している暇はあるのかねぇ」
 何やら嫌みな言い方を彼はしたが確かにそのとおりだ。
 ここでハウリナちゃんと楽しく談笑している場合ではない。


「ハーブ」
 私が彼女の方に手をおくと彼女はむっとした顔で振り返った。
「時間がない。私たちの目的はスカッシー掃除じゃないことを忘れているんじゃ・・・」
「スカッシー掃除?!どういうこと?!」
 私がいいかけたところで、不意にハウリナちゃんが大声を出した。
 私はあまりに急なことだったため固まってしまう。
 こんなときどういう反応をすればいいのかなど私には分からない。 


「ハウリナちゃん?スカッシーのことしってるの?」
 ハーブが困ったような声を出すと、ハウリナちゃんはこくこくと何度もうなずいた。
「そうだよ?スカッシーはハウリナのお友達」
 彼女はいうが早いかきびすを返して走り去ってしまった。
 それをハーブが追いかけていく。


「ハーブ!」
 私が呼び止めようとしたが、彼女は私の声には耳も貸さなかった。
「ルビー」
 不意に後ろから呼びかけられ、振り向くとフロートが立っていた。
「ハーブたちのことは私らに任せとけ。あんたはすべきことがあるんだろ?やることが終わったらラムザに帰ってこい」
 フロートの顔を見つめると彼女はにっと笑った。


「はよ、行ってこい!」

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