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RAINBOW STORY - 53 Reconciliation? -

「もしかして……さっきの悲鳴は……?!」
「僕じゃないよ」
 のほほんと答えるぴちぴちゾンビ。


「ンなこた俺でも分かる!!お前の仕業かってことだ!!」
「い、い、い、いや、違うにき、決まってんでしょ~」
 うそっぽ!!
 見るからに嘘っぽい。
 目線を泳がせまくるそいつ。


「ねぇ、フレア。この間は確かフレアの技の爆発に思い切り巻き込まれてたよね。そして遠くに吹き飛ばされた。いくらアンデットだとしても傷一つついてないのはおかしくない? それに今昼間だし。彼はほんとにアンデットなのかな……?」
 後ろにいたフラウがそう耳打ちしてきた。


 ちなみにフラウは今目を片手で覆ってもう片方の手は方耳に指を突っ込んでいる。
 こないだの呪いかなんかの副作用か?
 まったくアンデットっていうのはめんどくさいもんだぜ。
 フラウってばアンデットとかお化けが大の苦手だっていうのに。
 まぁ、コイツがまだぴちぴちのゾンビで気持ち悪くないからよしとしておくか。


 それにしてもフラウの言う通り、いくらアンデットにしろ無傷の生還はおかしいぞ。
 いや、生還は違うな、もう死んでるんだから。


 とにかく、こいつには何かありそうだ。
 どうにかして探りを入れてみよう。


「なぁ、お前さっきここらで、誰か女の子は見なかったか?」
「いや、僕まだ何もしてないよ~」
「……ってことは、なんかするつもりだったのか?」
「あ……!」
 わざとらしく口元を押さえるゾンビ。


 こいつは芝居をしているのか、それともこれが素なのかさっぱり分からない。 
 あー、もうめんどくせぇよ。
 もう聞きたいことなんでも聞きゃいいだろ。
 そしたらうっかりなんか洩らしてくれるはずだ。


「んで、何でお前はここにいるわけ? どうしてこないだ爆発に巻き込まれたのに、無傷でぴんぴんしてんだ?」
「それには……まぁ、深い事情があるわけだよ」
「深い事情……?」
「そうさ。僕だって好きで蘇ったわけでもないし、好きでこうしてこの場をふらついているわけじゃないのさ」
 少し涙ぐむ男。
 蘇ったってことはやっぱコイツゾンビなのか。


「実はね、ボクは冒険中にヘマやっちゃって死んじまったのさ。それでこれでお終いか、虚しいな。とか思いながらも、まぁ眠りにつこうとしてたところだった。ところがどういうわけかふと目が覚めて、これまたどういうわけか生き返ってた。たぶんアンデットにされたんだろうね。それから僕の自由はなくなり、悪の組織の悪巧みに加担する日々……」
 そう言うと彼はずずっと鼻をすすった。


 そうか……ゾンビはゾンビなりの事情があるんだな。
 ぐすっ、別に根っからの悪もんってわけじゃねーわけだ。


「それでこの間君に飛ばされたときも、僕はこれで自由になれるんだなって、思ったらまた蘇っててね……。それでどういうわけかこんなところで人々を襲えって命令されたんだ。僕はどうすればいいのか分からずにここでフラフラしていたわけさ。もう、ここで誰かを襲うことはしないよ。ボクは君の味方さ!」
 そう言うと彼は腕を広げた。


 そうか、これが和解の瞬間だな!
 かたく抱き合う俺達。


 後ろでフラウが「うっぷ」って言ったのが聞こえたけど、別にゾンビの割に暖かいし、臭いもしな
いぞ?
 これで両者のわだかまりがなくなるなら……うんうん。


「それじゃぁな、ゾンビ!」
「あぁ友よ!!」
 お互い手を振り合う俺たち。
 そして俺はフラウに手を引っ張られその場を後にした。

>54話へ
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