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もうひとつの幻想 44

 私は早速陸地に近寄り岩に手をかける。
 手でいくらかぬめりを拭って体を持ち上げた。
 横でハーブも同じようにやり上陸する。
 


 道の先に光球をとばしてみたが、単調な岩壁の道が続いているばかりのようだった。
 緑がかった地面や壁の石はいやな臭いと気持ちの悪いぬめりを見せ、あまり居心地がいいとはいえない場所である。
 暗いことも不安の理由のうちだろう、私たちはお互い不安げな顔をつきあわせた。


「気持ち悪いとこだね。いつだったかフロートもいれた3人でいった冒険を思い出すよ」
「確かにそうだな」
 今から1年ほど前、もっと前だったかもしれないが、私たちはとある冒険にでた。
 そこはアンデットモンスターが徘徊する場所で、その場所の内部で依頼者が落とした指輪を探すという仕事だった。
 その場所はなにやら悪意に満ちた力が溜まっており、その力は闇に蝕まれた魔力のように感じた。
 その魔力を使えば大きな力を手に入れられる代わりに、自分の何か大切なものを奪われてしまう、そんな恐ろしい魔力。
 今はその場所に充満していた魔力に近い、気味の悪い力の流れを道の奥から感じた。


「とにかく、先に進まないとね」
 私は用心のため、一つ光球を増やし、ハーブと並んで、道を進んだ。

 
 :


 進むにつれほんの少しずつ道は広くなっていった。
 辺りは全く日が射さないせいか、洞窟内は光源が何もなく真っ暗だったが、光球のおかげで、明かりに困ることはない。
 そして警戒が緩み始めたとき、私の目がそいつ等をとらえた。


「止まれ、ハーブ」
 私は小さな声で、ハーブを片手で押しとどめた。
 ハーブは急なことに少し驚いたが、すぐに表情を引き締めた。
 彼女も私の目が捕らえたものに気づいたらしい。


 私たちの視線の先は大きく道が左右に広がっており、道の途中に広場ができているような感じだ。
 そしてその壁になにやら気持ちの悪いものがいくつか張り付いていた。


 そいつらはテラテラと光を反射して光り、薄くピンクがかっている。
 私たちの頭くらいのものから握り拳大のものまでサイズはいろいろとあった。
 ゼリーのような体で、体からは毛虫のような毛がいくつも生えている。


「あいつは確か、チェリーゼリーとかいう名前のモンスターだ」
 学生の頃図鑑でみたことがある。
 湿ったところが好きで、一匹がいつくとどんどん増殖するという。
 そしてある程度まで増えると巨大化を始め、最大直径50センチほどまで膨らむらしい。
 薄ピンクのゼリー城野からだの中に、赤い臓器らしきものが見え、その赤いものがサクランボのように見えることからチェリーゼリーと名付けられたんだとか。



「気持ち悪いね、あいつら!どうしよう?道はここ一本しかないし」
 周りを見渡しても隠し通路なんてものはなさそうであった。

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